国際的に有名な学術出版機関のシュプリンガー・ネイチャーは28日、報道機関向けに情報を発表した。同機関最新版のネイチャー・インデックスによると、中国の科学研究都市の世界ランキングが急上昇しており、北京が首位を維持し、上海が3位に上昇したという。中国新聞網が伝えた。

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(写真提供:vcg.com)

世界の主要都市及び都市圏の2021年のネイチャー・インデックスが追跡する82種の自然科学誌における科学研究アウトプットの分析と、ネイチャー・インデックスの主要指標の一つであるシェアに基づく「ネイチャー」増刊号の「2022 年ネイチャー・インデックスサイエンス・シティ」世界ランキングによると、北京は世界トップ水準の科学研究都市の中で首位を維持した。ニューヨーク都市圏は2位を維持した。上海は20年の5位から3位に上昇。米国のボストン都市圏とサンフランシスコ・ベイエリアはそれぞれ4位と5位につけた。

また、中国のその他の科学研究都市のネイチャー・インデックスにおけるアウトプットも急増している。うち15年は19位だった南京は2年連続で8位。20年に14位で15年に42位だった広州は10位につけた。他にも中国から4都市が世界トップ20に入った。うち武漢は11位、合肥は16位、杭州は19位、天津は20位で、いずれも20年より上昇した。杭州と天津は初めてトップ20に入った。

ネイチャー・インデックスによると、北京は物理科学分野における質の高いアウトプットで世界首位で、2位は上海、3位はボストン。北京と上海は化学分野で1位と2位につけた。米国の都市は生命科学分野でリードを維持している。ニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ・ベイエリア、ボルチモア・ワシントンは生命科学分野のシェアでそれぞれ1−4位につけた。一方で、北京と上海はそれぞれ5位と7位につけた。

同増刊号はさらに、中国及び米国のそれぞれの都市における最も主要な40種の科学研究協力に注目するとともに、協力の異なる分布状況を示している。北京はネイチャー・インデックスの科学研究アウトプットで中国の5分の1を占める中国最大の都市間科学研究協力の中心地で、その次は上海となる。中国の最も主要な科学研究協力の多くが北京で行われる上、多くの協力関係都市を持つ最も主要な協力都市も往々にして北京だ。中国の新たな科学研究協力の中心地も浮上し始めており、南京が最も際立つ。米国では、都市協力ネットワークは主にニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ・ベイエリアという3つの主要な中心地となる。米国の最も主要な40種の科学研究協力に関わる都市の数はより少ないが、都市間の関連度はより高くなっている。

同増刊号はさらに、北京、上海、ボストン、ニューヨーク、サンフランシスコ・ベイエリアなどのトップ水準の科学研究都市を紹介し、こうした都市の成功を支える重要な駆動要素を示している。中には高水準の大学、機関、人材の集積、一流の科学機器・施設の取得、産業クラスター、政府による科学研究への財政支援、文化の多様性、生活水準などが含まれる。

ネイチャー・インデックスのサイモン・ベイカー編集長は、「北京と上海は2015年以降に科学研究アウトプットの面で重要な進歩を達成し、そしてその他の中国の都市に対して力強い影響を及ぼしている。科学研究協力を通じ、こうした都市の質の高い科学研究アウトプットの増加をサポートしている。中国が北京と上海をイノベーション駆動の科学の中心地にするとともに、研究開発費を増やしていることは明らかだ。これは中国国内・国際協力の促進と人材誘致に対して重要な役割を果たしている」と述べた。