北京の多くの公園には老舗の飲食店がひっそりと佇んでおり、園内を訪れた観光客は美しい景色を楽しみながらグルメを味わうことができる。

北海公園

「倣膳飯荘」は1925年に創設された宮廷料理館で、名物料理は「四抓」と呼ばれる、衣をつけて揚げた後炒めてとろみをつけた料理4品(豚ヒレ肉の炒め物、揚げ魚の炒め物、マメ(腎臓)の炒め物、海老の炒め物)や、「四醤」と呼ばれる味噌炒め4品(ヘーゼルナッツの味噌炒め、エンドウ豆の味噌炒め、キュウリの味噌炒め、ニンジンの味噌炒め)のほか、「四酥」と呼ばれるサクサクとした衣がついた揚げ物4品(鶏の衣揚げ、魚の衣揚げ、肉の衣揚げ、昆布の衣揚げ)がある。倣膳飯荘(清廷御膳)の調理技法は「国家級無形文化遺産リスト」に登録されている。

1948年に「万興居」という名前で創業した「慶豊包子舗」は、色々な技法を取り入れ、北京庶民の舌に合うオリジナルの包子(餡入り蒸しまん)を作っている。1976年、「万興居」は「豊作を祝う」という意味を込めて「慶豊包子舗」に改称された。

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倣膳飯荘(写真提供:VCG)

頤和園

「聴鸝館」は有名な宮廷料理店で、宮門奉魚、寿星香桃などの料理が中国料理協会に名物料理として評価されたほか、宮廷麺点(麺・点心)、あんまん、小窩頭(とうもろこしの蒸しまん)などは国内外でも人気がある。2009年、聴鸝館の「寿膳調理技法」は北京市の市級無形文化遺産リストに登録された。

中山公園

中華百年の老舗茶荘「来今雨軒」は、立地の良い場所に店を構え、店内の雰囲気も良い。「来今雨軒」という店名は友人が一堂に会する場所という意味で、李大釗、魯迅、茅盾、葉聖陶などの有名人もかつてここを訪れた。店内には、古風な茶卓と腰掛け、黒檀の床と階段、古い模様入りのタイルがあり、民国スタイルのインテリアで構成されている。お茶と冬菜の蒸しまんを頼んで、ゆったりとした午後を過ごしてみてはいかがだろうか。

(情報提供:文旅北京)