第一章 総則

第一条 北京市の幼稚園・小中学校における外国人生徒の受入れ・育成・管理対策を規範化させ、首都の「4つの中心地」の建設をサポートし、首都教育の国際化レベルを向上させるために、「中華人民共和国教育法」、「中華人民共和国義務教育法」、「中華人民共和国出入国管理法」及び「学校における外国人生徒の受入れ・育成に関する管理弁法」等の法律に基づき、本弁法を制定する。

第二条 本弁法における「学校」とは、北京市行政区域内における教育行政部門により正式に認定、設立された幼稚園及び小中学校を指す。

本弁法における外国人生徒とは、「中華人民共和国国籍法」に基づき中国国籍を有さず、本市の学校で教育を受ける年齢条件を満たす外国人生徒を指す。

第三条 学校は外国人生徒の受入れ・育成にあたり、中国の法令及び国家政策を遵守し、国家の主権、安全及び社会の公共利益を守り、法に基づく管理、規範化された管理、業務の質の保証を実現させる。

第四条 北京市教育委員会は本市学校の外国人生徒に対し、事務の指導、調整及び監督を担当する。北京市人民政府外事弁公室は、外国人生徒に関する渉外事務の調整を担当し、外交部から受けた許可に基づいて外国人生徒の中国渡航に関する事務を取り扱う。北京市公安局は、外国人生徒の北京における在留事務の管理、及び違法事件の法に基づく解決処理を担当する。

第五条 各区の教育行政部門は、本区にある学校の外国人生徒に対し、事務の指導、調整及び監督を担当し。各区の人民政府外事弁公室は、外国人生徒に関する事務の管理、調整を担当する。各区の公安局は、外国人生徒の本区における在留事務の管理、及び違法事件の法に基づく解決処理を担当する。

第六条 外国人生徒を受け入れる学校は、整備された外国人生徒の受入れ、育成、管理及びサービス制度を確立し、具体的な受入れ・育成を行うものとする。

第二章 受入れ管理

第七条 外国人生徒を受け入れる学校は、相応の教学条件及び育成能力を有していなければならない。更に、外国人生徒を受け入れる学校は、国家及び本市の関連規定に基づき、生徒募集業務を仲介業者又は個人に委託してはならない。

第八条 外国人生徒を受け入れる学校は、区教育行政部門へ届出を行うものとする。そのうち、中等専門学校は、北京市教育委員会へ届出を行うものとする。

第九条 外国人生徒が本市の学校に在籍中、その親が本市に常住していない場合、学生の親は、本市に常住する外国人又は中国人に対し監督保護者として正式に委任し、公証又は認証を受けた生徒の出生証明書、監督保護者委任状を提出するものとする。更に、委任を受けた監督保護者は本市で表明保証書の公証を取得しなければならない。

第十条 学校は、団体で短期教育を受ける外国人生徒を受け入れられるが、事前に海外の派遣会社と契約を締結しなければならない。初等・中等教育を行う学校が団体で短期教育を受ける外国人生徒を受け入れる場合、海外の派遣会社は、所在国の法令に基づき、事前に未成年の出入国に係る法的手続きを行い、また、団体に同行し、生徒在籍中の監督保護者となる人員を派遣しなければならない。

第十一条 外国人生徒は入学申請にあたり、一般パスポートの提示が必要となり、他のパスポートを持つ生徒は、変更手続きを行う必要がある。パスポートを持たない者は、規定に基づき学校は受け入れないものとする。

第十二条 学校の外国人生徒に対する学費の請求項目及び請求基準は、本市の関連規定に従うものとする。学校は、料金項目、条件、基準、流れ、及び退学、転校等に係る規定を含む請求・返金に関する管理規定を作成・公表するものとする。料金・返金の基準は人民元で計算する。

第三章 教育・教授

第十三条 学校は、外国人生徒の教育計画を学校の全体教育計画に盛り込み、外国人生徒の教育に適した教員を配置し、整備された教育・教授の品質保障体制を確立するものとする。

第十四条 学校は、本市の中国人生徒の学籍管理弁法に基づき、外国人生徒の学籍管理事務を行うものとし、学歴教育を受ける外国人生徒に対する学籍手続きを速やかに行い、国家又は本市の関連規定に基づいて外国人生徒に学歴証明書や他の証明書を発行する。学校は、外国人生徒に対し退学処分又は除籍処分を行った場合、関連法令の規定に基づき、所在地の公安機関の出入国管理機関に報告し、本市の関連規定に基づき届出を行うものとする。

第十五条 学校の外国人生徒に対する基本教授言語及び文字は中華人民共和国の共通語とする。国家の共通語レベルが学習要件に満たない外国人生徒に対して、その監督保護者は適正かつ実行可能な対策を講じ、生徒の中国語能力を高めるものとする。

第十六条 学校は、外国人生徒が早く授業、生活環境に馴染めるよう、中国の法令、校則、国情・校内の現状、中国の優れた伝統文化・風習や習慣、安全・常識等の内容を含む、外国人生徒に対する入学教育を実行するものとする。

第十七条 学校は、外国人生徒の学業成績及び日常生活態度を事実に基づき記録するものとする。欠席が多く、長期間登校しない外国人生徒に対しては、本市及び学校の関連規定に基づいた対応を行う。

第十八条 学校は、外国人生徒の精神的健康を注視し、精神的健康教育及び心理カウンセリングを強化するものとする。

第十九条 教育計画に基づいて展開する社会実践活動について、学校は外国人生徒を参加させるよう取り組むものとする。

第四章 校内管理

第二十条 学校は、外国人生徒の諸対応を行う事務長及び管理業務の担当機関を明確にし、外国人生徒の受入れ、授業、日常管理及びサービス等を一括して担当するものとする。

第二十一条 学校は、外国人生徒の受入れ、ビザ、学籍、宿泊、安全管理等における規定・体制を確立し、緊急時の安全対応策を具体的に定め、非常事態の対応責任者及び処理の流れを明確にするものとする。

第二十二条 条件が整った学校は、外国人生徒に食事・宿泊等の生活必需サービスを提供する施設を設け、施設の利用管理制度の整備・確立及び公表を行うものとする。

学生寮に入居している外国人生徒に対し、学校は生徒の入居後24時間以内に宿泊情報の登記を行い、公安機関に外国人生徒の登記情報を届け出るものとする。校外で生活する外国人生徒は、親又は監督保護者と同居するものとする。学校は、登記した宿泊情報が実際の住所と一致しているかどうかを確認するものとする。親又は監督保護者は関連法令に基づいて、生徒の入居後24時間以内に管轄する公安機関に入居登記手続きを行うものとする。

第二十三条 学校は、外国人生徒の民族風習を尊重するものとする。校内では、宣教・宗教の集会等あらゆる宗教的な活動を行わないものとする。

第二十四条 外国人生徒に関する重大事故又は非常事態が発生した場合、学校は直ちに市・区の関係部門に報告するものとする。

第五章 ビザ・在留証明書等の管理

第二十五条 中国大陸部以外に在住の外国人が本市の学校に入学を申請する場合、入国前に、教育を受ける期間に基づき、国籍の所在国又は在住国の大使館・領事館又は外交部(日本の外務省に相当)が委託した国外駐在機関に「X1」又は「X2」ビザを申請する。長期教育を申請する場合は、規定に基づいて教育行政部門に届出を行ったことを示す証明と学校が発行した合格通知書等の書類(18歳以上の場合は「外国人健康診断書」が必要)を提出し、「X1」ビザを申請する。短期教育を申請する場合は、規定に基づき教育行政部門に届出を行ったことを示す証明と学校が発行した合格通知書等の書類を提出し、「X2」ビザを申請する。

第二十六条 その他のビザ、滞在証明書又は非就学類在留証明書を持つ、本市に在留する外国人が、本市の学校で長期教育を受けるために入学を申請し、かつ就学類ビザの発行条件を満たす場合、教育行政部門に届出を行ったことを示す証明と学校が発行した合格通知書等の関連書類を持参の上、北京市公安機関出入国管理部門に就学類ビザの発行・変更を申請する。

第二十七条 外国人生徒が持つ就学類ビザに、入国後在留証明書が必要である旨が明記されている場合、入国日から30日以内に北京市公安機関出入国管理部門に就学類外国人在留証明書を申請し、規定に基づき、受入れ先の学校が発行した合格通知書と教育を受ける期間が明記された入学証明書等の書類を提出する。

外国人生徒は、滞在期限の延長を希望する場合、ビザに明記された滞在期間満了の7日前までに北京市公安機関出入国管理部門に申請を行い、要件に基づき関連書類を提出する。

外国人生徒は、就学類外国人在留証明書の在留期限の延長を希望する場合、在留証明書の在留期間満了の30日前までに北京市公安機関出入国管理部門に申請を行い、要件に基づき関連書類を提出する。

第六章 外国人生徒の権利・義務

第二十八条 外国人生徒が学校の情報を得やすいよう、学校は、外国人生徒に学校の基本状況、教学の現状、及び外国人生徒の管理・サービス制度の内容を開示するものとする。

第二十九条 外国人生徒が入学するにあたり、学校は、親又は監督保護者と「告知書」を締結するものとし、「告知書」には、中国の法令を遵守すること、校則を遵守すること、学校のすべての教学活動へ参加すること、又、その費用や返金等の内容を含むものとする。

第三十条 外国人生徒は、中国の法令を遵守し、中国の風俗や習慣を尊重し、校則を遵守し、学校のカリキュラム・計画に従って授業に出席し、学習課題を完了し、規定に従い関連する試験又は審査を受けるものとする。

第三十一条 入学に際し、外国人生徒は、中国の衛生行政管理部門の規定に従い、中国衛生検疫部門にて「外国人健康診断書」の確認手続き又は健康診断を受けるものとする。健康診断の結果、「中華人民共和国出入国管理法」に定める重度の精神障害、伝染性肺結核症又は公衆衛生上、危害を及ぼす可能性のある、その他の伝染病と認められた場合、公安当局は法律に基づき対処する。

第三十二条 学校は、外国人生徒全員に対し保険制度を実施するものとする。外国人生徒は、国家の関連規定及び学校の要請に従い保険に加入しなければならない。保険に加入していない者は、期限内に保険に加入するものとする。期限を過ぎても保険に加入しない者を学校は受け入れないものとし、すでに入学し教育を受けている者に対しては、退学又は除籍処分を行うものとする。

第七章 監督管理

第三十三条 学校が生徒の受入れ・育成を行う過程で、「学校における外国人生徒の受入れ・育成に関する管理弁法」第四十四条に定める行為が発生した場合、所管する教育行政部門は、当該校に是正を命じることができ、また「中華人民共和国教育法」に基づき関連責任を追及し、当該校による外国人生徒の受入れを禁止することができる。

第三十四条 「中華人民共和国出入国管理法」、「中華人民共和国治安管理処罰法」及び「中華人民共和国外国人出入国管理条例」、「中華人民共和国国内外国人の宗教活動に関する管理規定」等の法令に違反した外国人生徒に対し、公安等の所管部門は、法律に基づき処置を講じるものとする。校則に違反した外国人生徒に対し、学校は関連規定に基づき処分を行うものとする。

第八章 附則

第三十五条 本弁法における短期教育とは、本市の学校で教育を受ける期間が180日以下の場合で、長期教育とは、180日を超える場合を指す。

第三十六条 本市の教育行政部門が承認し設立された非学歴教育の教育機関が、北京に常住する外国人生徒を受け入れる場合、本弁法に準じて実施するものとする。

学校は、本市における外国籍の子供の受入れ、育成及び管理にあたり、本市の他の関連規定に従うものとする。

第三十七条 本弁法は公布日から施行される。併せて、北京市教育委員会、北京市人民政府外事弁公室、北京市公安局により2000年1月6日に公布された「北京市における小中学校の外国人生徒の受入れ・管理業務に関する若干の規定の発行についての通知」は同日をもって廃止される。

第三十八条 本弁法の解釈権は北京市教育委員会に帰属する。

(情報提供:北京市教育委員会)



中国語の原文:http://www.beijing.gov.cn/zhengce/zhengcefagui/202204/t20220414_2676935.html

(本文章は中国語の原文に基づいています。日本語を含む他言語の翻訳はあくまで参考の為のものであり、言語間で内容に差異があった場合は中国語の原文が基準となります。)