北京のビジネス環境をさらに最適化し、北京市通関地における越境貿易の円滑化レベルを向上させるため、以下の措置を策定する。

一. 書類の簡素化を引き続き推進し、審査・承認・届出のスピードを向上させる

1. 通関申告に必要な書類の簡素化改革の成果を定着・強化する。

通関申告に必要な書類を簡素化するための関連措置を引き続き実施し、企業の輸入申告時の契約書とパッキングリストの提出を免除し、輸出申告時の契約書、インボイス、パッキングリスト、その他の商業書類の提出を免除する。

2. 輸入検疫の審査・承認のスピードをさらに向上させる。

輸入(国境通過)動植物およびその製品の検疫審査・承認をペーパーレスで完全実施し、適合する審査・承認申請に対して原則3業務日以内に直属税関レベルの承認を完了させる。肉類、冷蔵水産物、低温殺菌牛乳などの生鮮品を優先的に承認する。

3. 輸入塗料の届出手続きの所要時間を大幅に短縮させる。

「輸入塗料届出申請受理状況に関する通知書」の手続き期限を4業務日以内に短縮し、「輸入塗料届出書」または届出申請者への通知書の手続き期限を2業務日以内に短縮する。

4. ペーパーレス通関のレベルをさらに向上させる。

電子版「入国貨物検査検疫証明書」の適用をさらに促進する。輸入通関時に「入国貨物検査検疫証明書」の取得申請を選択した企業は、「入国貨物検査検疫証明書」の電子情報をオンラインで確認することができる。

二. 引き続き通関改革を推進し、通関効率を向上させる

5. 「二段階申告」モデル改革を深化させる。

企業が「二段階申告」モデルと「事前申告+二段階申告」モデルを通関手続きに導入することを支持・奨励し、「事前申告+二段階申告+総合課税」政策の重ね合わせによる優位性を効果的に発揮させる。

6. 「二段階参入」監督管理モデル改革を推進する。

「二段階参入」の監督管理改革を、北京税関管区で全面的に実施する。条件を満たす貨物について、企業は仕向地での通過検査(税関は企業のLNG輸入申請需要に基づき、審査を経て条件を満たした場合、先に荷下ろしして入国することを認め、検査条件が整った通関地監督管理区以外の場所で検査作業を行うことができる)、条件付引き取り、通関地・目的地一括検査の実施を申請することができる。

7. 税関検査のオペレーションモデルを最適化する。

新型コロナウイルス感染拡大防止期間中、荷受人または荷送人に対するオンサイト検査を引き続き免除する。柔軟な検査を実施し、特別な輸送要件を有する商品に対し、検査予約、工場検査、入庫検査などの方法を柔軟に採用し、貨物処理および企業の検査時の待ち時間を短縮する。

8. 食品・化粧品サンプルの検査・監督管理を最適化する。

輸入食品および化粧品サンプルについて、検疫要件に関わる場合を除いて、届出、研究開発試験、トレードショーなどの目的のために使用される食品および化粧品に対し、中国語ラベルの貼付、サンプリングテスト、衛生評価資料の提供を免除する。届出、研究開発試験に使用されるサンプルに対し、輸入健康食品の承認証明書および輸入非特殊用途化粧品の届出証明書または輸入特殊用途化粧品の行政許可承認書類の提供を免除する。

9. 衛生検疫特殊品の監督管理におけるイノベーションを推進する。

中関村検査検疫試験区を拠点として、低リスク特殊品スマート審査・承認を実施し、特殊品監督管理システムにより自動的に製品情報の検証を行うことで審査・承認を完了する。科学研究用高リスクサンプルのリスク評価モデルを革新する。輸入するために至急使用する必要がある少量の科学研究用サンプルを対象としたクイックリスク評価モデルを採用する。非商業化サンプルまたは研究室の交換サンプルのリスク評価書類の要件を簡素化する。

10. 関税技術サービスを最適化する。

分類、価格、原産地事前決定サービスを完全に実施し、企業が合法的かつコンプライアンスに基づいた申告を行うよう指導する。同時に、税務関連の事前審査システムを革新し、関税技術を原因とした「最初のミスに対し処罰しない」メカニズムを模索し、遵法企業の権益を十分に保護する。

11. 通関における「第三者認証」制度の適用を促進する。

輸入自動車部品、電池などのサンプリングおよび実験室でのテストが必要な場合は、第三者認証、検査報告または企業の品質・安全自己宣言によりクイック検査・通関を認め、テストのために実験室に送られる比率をさらに引き下げる。強制製品認証の免除対象となる輸入自動車部品に対する「先に申告し、後で検証する」施策を継続的に実施する。

12. 企業が自ら違反行為の開示を行うよう指導する。

税関の監督管理規定に違反する行為について自ら税関に書面で報告し、税関の処分を受け入れ、自ら開示したことが税関に認められた企業に対し、法律に基づいて、処罰の軽減または免除を認める。企業が自主検査により税金の過少納付または納付漏れを発見し、自ら補填し、自ら開示したことが税関に認められた場合、法律に基づいて、延滞税の減免を認める。

13. 冬季オリンピック用資材に対する通関用のグリーンルート(優遇措置)を開設する。

2022年冬季オリンピック、冬季パラリンピックなどの国際大会を対象に、即時検査・通関を実現するため、資材通関サービス専用エリアを設ける。

三. 通関地の協力を継続的に推進し、地域を跨ぐ通関協力を強化する

14. 特色ある監督管理モデル「ダブルハブ」を革新する。

「ダブルハブ」国際空港の利点を生かし、待機・到着便のダブルの処理・監督管理プロセスを整備し、「一地二場」の待機到着便の緊急処理・連絡メカニズムを確立し、北京の航空輸送の効率を向上させる。

15. 高級認証企業に対する円滑化措置の相互運用・共有を実施する。

北京税関と天津税関の間で高級認証企業に対する円滑化措置の相互承認を実施し、両地域の高級認証企業に対する保証免除などの優遇措置について、関税区を越えた共有を実現する。企業の信用育成を強化し、AEO高級認証企業の数をさらに増やす。AEO認証企業専用の通関窓口を設置し、専門スタッフを配置して、予期せぬ問題を解決し、AEO認証企業に対して的確なサービスを提供する。

16. 越境ECなどの新しい業態の発展を支援する。

越境ECのB2B輸出に対し、「一回登録、一点連結、円滑な通関、簡易申告、優先検査、トランジット許可、円滑な貨物返送」などの促進措置が導入される。北京企業が天津港を経由した越境ECのB2B輸出を実施することを奨励する。天津企業が北京空港を利用した越境ECのB2C輸出を実施することを支援する。

上記の措置は、配布の日より施行される。

以上の通り公告する。

北京税関

2021年2月10日