現在、北京市は朝陽区、海淀区、「三城一区(中関村科学城、懐柔科学城、未来科学城および北京経済技術開発区)」などの重点地域で国際病院建設プロジェクトを進めている。

中でも、朝陽区東壩地区にある北京安貞東方病院プロジェクトは12月末までに主要構造部が竣工する予定である。昌平区の国際研究型病院プロジェクトで建設中の「北京高博病院」は主要構造部が竣工した。一方、海淀区の阜誠病院プロジェクトと朝陽区の嘉会病院プロジェクトは予定通り施工しており、朝陽区のラッフルズ病院と和睦家京北婦児病院はすでに開院している。

北京市衛生健康委員会医政医管処の陸珊紹処長によると、北京市における国際医療サービスの発展・改革に関する政策更新を引き続き拡大する中、8つの国際試行病院と10の重要課題が確定された。北京協和病院、中日友好病院、北京友誼病院、北京天壇病院、広安門病院、北京和睦家病院、北京善方病院、税関総署(北京)国際旅行衛生保健センターなどの医療機関は、国際基準に沿ったプロセス、サービス、環境などの実現を推進する取組を試験的に行っている。公立病院における国際医療部門の段階的な設立・発展を支援し、病院における国際医療部門の建設ガイドラインを作成することで、国際医療サービスの水準を向上させる。

各部門が協力して試行医療機関における革新的な政策の先行試行を推進し、試行病院における臨床上緊急に必要な医薬品の輸入を支援し、北京協和病院が臨床上緊急に必要な希少疾病用医薬品「ミトタンカプセル」の輸入を支援する。病院に向けて特別職を設置する試行政策を実行する。北京天壇病院は2名の外国人専門家を特別職として採用した。北京市の公立医療機関における特別支援医療サービスの価格を自由化し、国際医療サービスの発展を促進する。

同時に、国際医療連合体を推進し、朝陽区は中日友好病院を中心とした国際医療連合体を設立し、連合体の内部機関の実験室検査と中日友好病院の検査との同質性が実現した。中日友好病院の国際部門と医療連合体の内部機関との間の転院制度を改善する。健康診断、健康管理、リハビリテーション、ヘルスケアをカバーする統合サービスパッケージモデルを確立した。

海淀区は北京大学第三病院を中心に、清華大学病院、北京大学病院が共同で参加する国際医療連合体事業を立ち上げ、国際医療サービスに関わる機関の連携と人材育成を積極的に模索していく。

コミュニティにおける国際医療サービスの提供を促進する。朝陽区は三里屯地区を試行拠点として、三里屯コミュニティ衛生サービスセンターに「外国人関連医療窓口」と「外国人診療室」を設置し、院内表示の外国語表記の標準化、中国語・英語表記の健康記録の確立、外国人患者への英語によるカルテ・検査などの情報提供、外国人への一般診療、漢方医学、歯科、母子保健、児童保健、予防接種などのサービスを行っている。

三里屯第二コミュニティ衛生サービスセンターは、6つの大使館と家庭医療サービスに関する協定を結び、24時間無料健康相談、中国語・英語による在宅診察、口腔管理、栄養・健康食品相談・管理、漢方医学文化・ヘルスケア交流などのサービスを提供している。また、外国人永久居留身分証やパスポートなどの外国人の身分証明書による医療サービスへのアクセスが可能となり、北京市の統一診察予約プラットフォームなどを通じて利用されるようになった。

国際医療人材の育成を強化するため、「首都医学外国語人材備蓄バンク」を設立し、ハイレベルで複合的な外国語人材陣を多く蓄積している。宣武病院と米国のジョンズ・ホプキンス大学、佑安病院とイギリスのオックスフォード大学、同仁病院とベルギーのゲント大学、友誼病院と香港中文大学などが共同人材育成システムを構築し、現地人材をグローバル人材へと育成する取組を推進している。朝陽区は医療機関の第一線と窓口の渉外担当者を対象に英語研修を実施し、専門技術者グループの海外交流・研修を行っている。

また、北京市は医療サービスや決済システムを国際基準に合わせることを加速させ、医療保険保障サービスの最適化を図る予定である。試行病院による国際医療サービス管理認証および国際商業保険認証の実施を支援し、商業保険と医療機関の協力および連携を促進する。国際医療サービスの医療保険に関する支援策の実施を支援し、商業健康保険と基本医療保険の効果的な紐付けを促進し、より一層患者の受診の便宜を図り、保障を提供する。

(情報提供:新京報)