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生態環境分野における行政罰の裁量権の規範化を一段と強め、生態環境部門による法律に基づく行政の能力・水準を高め、法執行における汚職を防ぐために、生態環境部による「環境行政罰に適用する裁量権の更なる規範化に関する指導意見」(環執法〔2019〕42号)及び旧市政府法制弁公室による「行政罰の裁量基準制度の規範化・実施に関する若干指導意見」(京政法制発〔2015〕16号)などの規定に基づき、本市の生態環境行政の法執行業務において多用される処罰職権を踏まえ、本基準を制定する。

一.基本原則及び要求

行政罰の裁量権を規範化・行使するに当たって、環境監督管理に資することを目的とし、合法妥当、公平公正、処罰の相当性、処分と教育の連結、適用しやすい原則を遵守する。

行政罰の裁量は法の目的に基づき、違法な事実の判断、性質、経緯及び社会への危害の程度などの要素を全面的に考慮し、何ら関係しない要素を排除するものとする。違法な事実、性質、経緯及び社会への危害の程度などの要素がほぼ同じ同類の行政違反行為に適用する法令、法規、規定の根拠を踏まえ、違法行為者に対して処罰するかしないか、又は処罰の種類・重さの権限を判断し、経緯が相当する同類事件に適用する法規の根拠、罰の種類・重さはほぼ同じであることを実現させる。

二.裁量権の行使における特殊なケース

(一)罰を厳罰にすることが認められるケース

1.2年以内に環境に対する同類の違法行為により3回以上の処分を受けた場合。

2.重度汚染天候警報期間中に規準を超える大気汚染物質を排出した場合。

3.事件調査期間中に法執行者に対して、威嚇、侮辱、暴力、恐喝又は報復を行った場合。

4.環境に対する違法行為によって他の行政区を汚染した場合。

5.環境に対する違法行為によって社会に悪影響を及ぼした場合。

6.その他の厳罰化が必要な場合。

(二)罰を軽減すべきケース

1.自発的に環境に対する違法行為の危害の程度を取り除いた又は軽減した場合。

2.他人に脅迫され、環境に対する違法行為をした場合。

3.生態環境部門の環境に対する違法行為の調査に協力して功績をあげた場合。

4.その他の法に基づき処分を軽減する必要がある場合。

(三)罰の免除が認められるケース(罰の免除が認められる目録)

1.違法行為が、下記のいずれかに該当し、軽微な違反でかつ速やかに是正し被害を起こさなかった場合、行政罰の免除を認める。

(1)「建設プロジェクト環境影響評価分類管理目録」第三条(一)、(二)項に掲げる環境配慮特別地域を除き、改築、増築及び技術のリノベーションに関わる建設プロジェクトについては、法に基づき環境評価による届出手続きを行わずに許可なく工事を実施し、まだ工事中にあり、又は完工したが、まだ生産活動又は運用段階に入っておらず、法執行者による現場調査後、直ちに工事を中止し又は元の状態に戻した場合。

(2)環境評価による届出手続きを行い、かつ汚染防止施設が「環境評価」等の書類に基づき承認を受け、完工されて運用中の状態にあるが、環境保全に関する引き取り検査を受けず、法執行者による現場調査が行われた日から3カ月以内に引き取り検査を受け、引き取り検査の報告書を公表した場合。

(3)環境評価による許認可・引き取り検査の手続きを行わずにボイラーを導入・使用し、ボイラーの総容量が1トン/時超え10トン/時以下で、法執行者による現場調査が行われた日から3カ月以内に環境保全の審査認可・引き取り検査を受け、報告書において公表した場合。

(4)建設工事事業者が法に基づき「建設プロジェクトの環境影響登記書」を未提出の状態にあり、法執行者による現場調査が行われた日から5営業日以内に届出を行った場合。

(5)環境情報を適時に公表していない、又は公表した内容が虚偽のもので不正確であることが調査により認められたが、発見された日から5営業日以内に是正した場合(虚偽の内容を公表する行為を含まない)。

(6)自己監視モニタリング記録の欠落率が10%未満の場合。(有毒有害汚染物質、ダイオキシンの要件に基づく自己監視モニタリングを行わなかった場合を含まない)。

(7)「汚染物質排出登記書」が必要とされる企業、公的機関及びその他の生産経営者が、法執行者による現場調査が行われた日から5営業日以内に汚染物質排出情報を記入して報告した場合。

(8)所定の期限から10営業日以内に「汚染物質排出許可証明書実行報告書」を提出した場合。

(9)固体廃棄物の保管・処分を目的として承認を得ずに固体廃棄物を省・自治区・直轄市の行政区域から外部へ運搬した場合、又は届出をせずに固体廃棄物を省・自治区・直轄市の行政区域から外部へ運搬したが、5営業日以内に届出を行って申請要件を満たし、かつ固体廃棄物量が1トン以下の場合。

(10)HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)などのオゾン層破壊物質(ODS)の生産、販売、使用、回収、再生利用又は処分などの事業活動に従事する事業者が、法執行者による現場調査が行われた日から5営業日以内に届出をした場合。

(11)本市において使用されている非道路用移動式機械について情報・番号の登記を行っていなかったが、法執行者による現場調査が行われた日から10営業日以内に登記を完了した場合。

(12)規定に基づいて突発的な環境事件に対する緊急対応策を策定したが、規定に基づいて緊急対応策の届出、又は突発的な環境事件に関する情報の公表を行わなかったが、調査により発見された日から5営業日以内に是正した場合。

(13)2021年3月1日付の「汚染物質排出許可管理条例」の施行前にすでに汚染物質を排出した事業者が、法執行者による現場調査が行われる日までに汚染物質排出許可証明書を未申請であったが、調査が行われた日から1カ月以内に申請した場合。

(14)オンライン監視設備を比較して監視しなかったが、1カ月以内に是正した場合。

(15)その他の軽微な違法行為で、直ちに当該違反行為を是正し、被害を起こさなかった場合。

2.初回の違法行為(即ち市、区の行政処分、行政検査システムにおいて、当事者に同一の違法行為の記録がなく、また、当事者が初回の違反であることが確認された)であり、危害の程度が軽微で、これを速やかに是正した場合は、行政罰の免除を認める。

(1)I類汚染物質、有毒有害物質、放射性物質、重金属、及び残留性有機汚染物質を除き、排出基準を超える水質汚染物質(色度を除く)、大気汚染物質(悪臭、自動車及び非道路用移動式機械により排出された汚染物質を除く)のうち、1項目のみ排出基準を超え、かつ超過部分が基準の10%未満であるが、10営業日以内に是正した場合。pH数値が基準より±0.5未満であるが、10営業日以内に是正した場合。ガソリンスタンドの気液比の数値が±0.05未満であるが、3営業日以内に是正した場合。

(2)規定に基づき危険有害性廃棄物の識別表示を設けておらず、5営業日以内に設けた場合。又は、危険有害性廃棄物の保管等が不適切であり、現場調査によって同廃棄物が0.1トン以下であることが判明され、2営業日以内に是正した場合。

(3)工業企業による気密処理が不完全で、貨物以上の高さのフェンスを設置していない、又は効果的な粉塵対策を講じておらず、貨物体積が10立方メートル未満で、かつ貨物の積込期間が3日以下で、その場で是正した場合。

(4)自動車整備事業者が許可なく積み上げた未破損の使用済鉛蓄電池の量が1トン未満で、かつ5営業日以内に是正した場合。

(5)その他の初回の違法行為で、危害の程度が軽微で、これを速やかに是正した場合。

3.当事者に自身が主観的に見て過失がないことが証明できる十分な証拠がある場合は、行政罰の免除を認める。法律、行政法規に別段の定めがある場合は、その規定に従うものとする。

法に基づき、当事者の違法行為に対して行政処分を行わない場合、行政機関は承諾書の締結などの方法により当事者に対して教育、指導を行うものとする。

三.行政罰の裁量基準表

建設プロジェクトの環境評価の分類、汚染物質の属性及び排出状況、違法行為による環境に対する影響などの違法状況に基づいて、建設プロジェクト、水質汚染の管理制度、大気汚染の管理制度、放射性汚染物質防止対策体制、固体(危険)廃棄物防止対策体制、汚染物質排出許可の管理制度などにおいてよくみられる違法行為に対して、生態環境保護に関する法規に定める行政罰の種類・重さを踏まえ、それぞれの行政罰の裁量基準を制定する(詳細は付属書を参照)。

四.日単位の連続処分の裁量規則

「中華人民共和国環境保護法」第五十九条の規定により、企業、公的機関及びその他の生産経営者が、汚染物質を違法に排出した場合は、罰金を課し、是正するよう命じることができる。是正勧告を拒否する場合は、法に基づき処罰を下す行政機関は、勧告した日の翌日から、当初の罰金基準で日単位で連続処分を下すことができる。

前項の罰金処分について、関連法令に基づき、汚染防止施設の運転コスト、違法行為による直接的な損失又は不法所得等の要因を踏まえて定められた規定に従って実施する。

地域性法規については、生態環境保護の観点を踏まえて、第一項に定める日単位の連続処分に関する違法行為の種類を追加することができる。

「中華人民共和国大気汚染防止法」第百二十三条の規定により、下記の行為のいずれかに該当する企業、公的機関及びその他の生産経営者に対して、罰金を課し、是正するよう命じる。是正勧告を拒否する場合は、法に基づき処罰を下す行政機関は、勧告した日の翌日から、当初の罰金基準で日単位で連続処分を下すことができる。

1.法に基づき「大気汚染物質排出許可証明書」を取得していない場合。

2.大気汚染物質の排出基準又は重大大気汚染物質排出全量規制指標を超える大気汚染物質を排出した場合。

3.監視から逃れて大気汚染物質を排出した場合。

4.建築工事又は粉塵が発生しやすい資材の保管に当たり、有効な粉塵対策を講じなかった場合。

「環境保護主管部門による日単位の連続処分弁法」第五条により、下記の行為のいずれかに該当する汚染物質排出者に対して、罰金を課し、是正するよう命じる。是正勧告を拒否する場合は、法に基づき処罰を下す生態環境部門は、日単位で連続処分を下すことができる。

1.国若しくは地域の汚染物質排出基準、又は重大汚染物質排出全量規制指標を超える汚染物質を排出した場合。

2.暗渠、浸透井戸、吸水坑、汚染物質の注入又はモニタリング記録の偽造及び改竄、汚染防止施設などの不正運行などの手段により汚染物質排出に対する監督から逃れた場合。

3.法令、法規により禁じられる汚染物質を排出した場合。

4.危険廃棄物の不正排出を行った場合。

5.その他の汚染物質の不正排出行為。

生態環境主管部門の調査により汚染物質排出者が違法に汚染物質を排出したことが発覚した場合は、直ちに証拠を取り、法に基づき行政罰の決定を下す。

日単位の連続処分の決定に当たっては、前項に定める行政罰の決定後に行うものとする。

特殊なケース:

基準を超える汚染物質を排出したが、下記のいずれかに該当する場合は、日単位の連続処分の免除を認める。

1.生産停止、生産規制措置がとれない民生プロジェクトに対して、整備・改正期間に排出された汚染物質が再び規準を超えた場合。

2.排出基準を超えた汚染物質の種類の総数が前回の排出より50%以上減り、再び排出基準を超えた汚染物質の基準に対する倍数が前回の排出より50%以上減り、又は排出基準を超えた新規汚染物質の基準に対する倍数が0.5倍未満の場合。

3.前回排出基準を超えた汚染物質がすでに基準を満たし、排出基準を超えた新規汚染物質の基準に対する倍数が0.5倍以下の場合。

4.排出基準を超えた汚染物質の基準に対する倍数が0.1倍以下の場合。

生態環境部門による再調査に当たって、測定成分には前回の成分を含むものとする。

五.適用に関する質問についての規定

1.生態環境法執行部門の事件調査・処理担当者は、「事件終了移送審査書」「事件上申書」におけるおおむねの処理意見又は予定処理意見の提示に当たって、裁量の根拠を明記するものとする。

2.本基準は本市においてよくみられる環境に関する違法行為に対する処分の裁量権を掲げたが、基準に列挙されていない違法行為については、すでに規範化された裁量権の方法に基づき、水平比較により裁量を行う。

3.環境に対する深刻な違法行為については、局長弁公会などの組織会議の検討を通じて、法令、法規の範囲内及び本基準に定める処分の重さに基づき処分の基準を引き上げることができる。

4.関係者は裁量権の基準を遵守せずに、下した行政罰が行政不服審査又は行政訴訟によってその違法性を認められ又は撤回された場合は、関連規定に基づき責任を追及する。

付属書:生態環境分野における行政罰の裁量基準(略)


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