北京は中国において科学技術と人的資源が最も豊かな地域であり、革新と起業が最も活発で、ビジネス環境が最も優れている都市である。ここ数年にかけて、北京市は一貫して積極的に国際的影響力を持つ科学技術革新センターの構築を推し進め、より開放と融合で、イノベーションの活力にあふれ革新と起業に適する環境友好型(意味:人と環境にやさしい)国際大都市に、次第になれるよう構築事業のペースを速めている。
一つ目は、科学技術革新の地理上の配置を最適化させることである。イノベーション要素が空間において、高度な集結を促し、「三城一区」を科学技術革新センターの構築の主要なプラットフォームとし、「インフラ施設-基礎研究-応用研究-成果の実用化-「高精尖(ハイレベル・精密・先端的)」産業」という科学技術の革新的フルチェーンを積極的に築き上げている。その中で、中関村科学城では基礎科学に対する最先端の研究とキー・コアテクノロジーが系統的に配置され、国際イノベーションリソースへの開放と誘致の能力を上げ、科学技術革新の出発地、オリジナルイノベーションの策源地、自主革新の主要陣地を着実に建設している。懐柔科学城では科学研究分野における長期的な配置に着眼し、総合極端条件実験、地球系統数値のシミュレーション、高エネルギーシンクロトロン放射光源などの大型科学装置を造り、総合的な国家科学センターを作り上げ、世界レベルのオリジナルイノベーションの許容地域を育成している。未来科学城ではエネルギーと生命科学分野に照準を定め、「両谷一園」(意味:二つの谷と一つのパーク)を構築し、世界最先端の技術革新の拠点を造り出している。北京経済技術開発区では、上述した三つの科学城の研究成果を実用化させるという任務を引き受け、開放型・革新型の産業クラスターと「高精尖」産業の主要陣地を構築する。
二つ目は「高精尖」経済構造の構築を加速させることである。10種類の「高精尖」産業の指導意見を定め実施し、次世代情報技術と医薬・健康という「双発動機(二つのエンジン)」の育成を速める。科学技術イノベーション向けのマザーファンドを設立し、ペーシェント・キャピタルとロングターム・キャピタルの不足問題を解決し、ハードテクノロジーとディープテクノロジーに対する長期的かつ持続的な革新の遂行を励む。科学技術成果実用化統括協調サービスプラットフォームを構築し、応用シーンの構築と発展ポジショニングに似合う成果の実用化を推し進める。
三つ目は革新人材の育成拠点を作り出すことである。北京量子信息科学研究院、脳科学と類脳(脳型知能)研究センター、智源人工知能研究院を設立し、国際標準に連結する世界的に一流の新型研究開発機関を建設し、科学研究に対する管理と組織の形式に関する新たなモデルを模索し、安定なサポートメカニズムとオープンな人事管理モデルを形成する。より広い分野の人材を開拓し、エンジニア、知的所有権弁理士、プロダクトマネージャーなどを人材支援計画に帰納させる。人材レベルの難題を解決し、20条の出入国政策と措置及び中関村国際人材新政策20条を実施し、一連の戦略的科学技術人材、トップレベルな科学技術人材、各業界のリーダー人材の導入と育成に重点を置き、同時に人材の定住、住居、子女の入学などへのサービス保障を強化し、より魅力的な人材発展の形態・環境を生み出す。
四つ目は活気付かせるメカニズムを営むことである。科学研究の管理、実績に対する評価、資源の配置、成果の実用化などをめぐり、一連の制度の突破を目指し、各種類のイノベーション主体の積極性を引き立たせるよう尽力し、今現在「広主体、全覆盖、分階段、多層次(各主体と方面を網羅し、段階的且つ多層的になる)」と、法規・政策による保障体系が成立している。「一帯一路」科学技術革新北京行動計画を実施し、絶え間なく国際イノベーションリソースに対する開放と集結能力を強化していく。
ここ数年にかけて、北京全国科学技術革新センターは顕著な功績を納めていた。イギリス「Nature」誌の増刊である「Nature Index 2018 Science Cities」は全世界の500個の都市に対して評価を行い、その結果北京の得点はパリ、ロンドン、ニューヨーク、東京などの国際イノベーション都市を上回り、再び1位に選ばれた。「自然集団(英語:Springer Nature)全球科技革新策源都市分析報告書」によると、北京のオリジナルイノベーション貢献が、ニューヨークとボストンに次いで世界3位であった。世界銀行によって公布された「Doing Business 2020」により、北京はサンプルシティーとして78.2の得点を獲得し、第28位に等しい結果となっていた。「世界知的所有権機関2019世界イノベーションインデックス・レポート」によると、北京は世界中の科学技術クラスターの中で4位に評価され、アメリカのサンノゼ-サンフランシスコ、日本の大阪-神戸-京都、アメリカのボストン-ケンブリッジなど国際的に著名な科学技術クラスターを超え、今まさに全世界イノベーションネットワークにおいて、新たな高地になろうとしている。
ソフトウェアと情報サービス業は北京の重要な基幹産業である。2019年、インターネット情報サービス・インターネットプラットフォームサービス・インターネットデータサービス企業の高速発展の連動により、全業界営業収入は同期より14.4%増の13464.2億元に達成し、その成長速度は北京市の第三次産業の中で第一位の成績を獲得した。その中でもインターネット情報サービス業は最速で発展し、革新が最も活発に行われている。収入規模が全市の40%を占め、産業発展の最先端を走っている。
製造業のサービス化・グローバル産業園区の建設・データ公開と共有などの重要な応用シーンを中心に、インターネット情報分野のサービス業の開放拡大プロジェクトを持続的に開拓し、既に国際水素エネルギーセンター・シュナイダースマート製造技術革新センター・シーメンスモノインターネット活発化センターなど全国初の重大影響力を持つプロジェクトを数多く導入している。
金融業は中国の首都である北京の第一基幹産業である。2019年において、北京の金融業は6544.8億元人民元の増加価値を実現し、前年同期比より9.5%増で、地区GDPに占める割合が全国1位の18.5%である。全市の経済増長への貢献度が28.8%に達し、各業種の中に占める割合が最も高い第一基幹産業となる。同時に、全市において税収への貢献が最も高くて、経済牽引が最も明らかな業種ともいえる。北京は世界金融センター指数(GFCI)でのランクが着実に上昇し、2019年9月当時の世界7位を獲得していた。北京は金融技術分野においても世界の最先端を行き、第26期のGFCIランキングで世界1位を確保していた。
中国による金融業対外開放のペースがますます速くなるにつれ、北京は既に国家金融開放任務を引き受ける重要な集積地になる。国内唯一のサービス業開放拡大総合試行都市として、北京は金融分野において一連の改革・開放の措置を施し、一連の代表的かつ影響力のあるプロジェクトを惹きつけている。国際銀行間通信協会(SWIFT)は北京で中国区の法人機関を設立し、三つの主要な信用格付会社であるスタンダード&プアーズ、ムーディーズ、フィッチと、二つの主要カード決済機関であるマスター(Master)、ビザ(VISA)も同市に進出する。全世界第三者支払いビジネスモデルの創始者ペイパル(PayPal)も北京で第三者支払い機関を設立し、スイス銀行、ゴールドマン・サックス、クレディ・スイスはそれぞれ同市で共同出資証券会社の持株比例を上げ、外資系持株証券会社になる。ゴールドマン・サックス、クレディ・アグリコル、ベインキャピタル、オークツリーキャピタル、イギリスのプルデンシャルグループなども同市で資産管理会社を設立している。2020年4月にて、北京市では国内初の「大資管」業界協会が成立され、各大手銀行の財テク業務に従事する支社と国際資産管理機構などを含み、メンバーが60社あまりに達し、資産管理において国際的な業界組織の構築を目指している。
北京における金融業は以下の特徴を持つ。一つ目は、中国金融管理の中心地である。北京市は国務院金融穏定発展委員会、人民銀行、銀保監会、証監会など、多くの国家レベルの金融決定管理部門と大手金融機構の所在地である。同時に多くの国家レベルの支払い、取引、決算、決済、登録、徴信(信用調査の意)など、国家レベルの金融インフラ施設プラットフォームの所在地であり、まさに中国の金融管理の中心である。二つ目は、系統的な重要金融機構が北京に集結するということである。国家開発銀行・中国進出口銀行(中国輸出入銀行)・中国農業発展銀行など国家の三大政策性銀行、工(中国工商銀行)・農(中国農業銀行)・中(中国銀行)・建(中国建設銀行)など国内最大手の国有商業銀行、中国人寿・中国人保・中国再保険など大型な保険グループ、中金公司・銀河証券・中信建投など大型な国際証券会社も、ここに結集している。2019年に、18社の中国の金融機関は「銀行家(ザ・バンカー)」より選出した世界最大手銀行1000社番付の上位100位に入選し、中の10社が北京で本部を置いている。三つ目は、主要な国際金融組織が北京に拠点を置くということである。世界銀行、国際通貨基金、世界貿易機関はそれぞれ北京市で代表部を設立し、世界の大手金融機構もすべて同市で営業支社又は代表部を配置している。ここ数年にかけて、アジアインフラ投資銀行、シルクロード基金、アジア金融協力協会などの一連の国際金融協力組織も北京で設立されている。四つ目は、金融市場の体系が比較的に完備である。北京には上海、深圳に次ぐ三番目の全国規模の証券取引所―全国中小企業株式譲渡システム(新三板)が設立されている。同時に中国最大の債券発行の定価中心地であり、2019年末まで、北京地区で発行された債券の数量は全国の12.46%を占め、債券の剰余金額が全国の三分の一に近い31.14%を占めている。五つ目は、上場会社の数が多く規模も大きいということである。2019年末まで、北京地区での国内上場会社が346社あり、総株式資本が2.70万億株に達し、全国A株上場会社の総株式資本の38.73%を占め、全国1位の座を取り、時価総額が17.07万億元人民元で、全国の26.67%を占めて同全国1位となった。六つ目は、金融関係の人材が非常に多いことである。中国銀行業協会、中国保険行業協会、中国証券投資基金業協会、中国期貨(先物)業協会、中国信託業協会、中国注冊会計師(公認会計士)協会、中国精算師(保険数理士)協会などの全国規模の業界協会と従業者協会がすべて北京に登録されている。第四回全国経済センサスによれば、2018年末まで、ここにある金融従業者の人数が81万に達したとのことであった。
北京市委、市政府は優先的に教育を発展させる理念を堅持し、中国共産党の教育方針と全国教育大会の精神を全面的に貫き、「首都教育現代化2035」を打ち出し、教育の総合的な改革を大いに推し進める。教育への供給と投資を拡大させ、北京の「四つの中心」の機能建設に重要な貢献をささげ、全国の教育改革に対して貴重な経験を模索し、世界中で中国教育の影響力を向上させるために、肝心な支援を提供してくる。
段階式育成モデル・構造の有機的な連携。首都教育は首都の戦略的なポジショニングに終始貫徹し、「四つのサービス」のレベルを上げるのに必要不可欠な重要原動力である。首都教育は現在、高品質な就学前教育、良質かつ均衡な義務教育、高品質かつ多様化する高校教育、都市の発展を支える職業教育と全面的に国際競争力を向上させる高等教育に向けて邁進している。当面において、北京市は各種類の学校を3500校あまり保有し、教師と学生の人数が計327.2万人で、その中で在校生の人数が288.4万人である。現に、幼稚園が1700校あまりで在園児が46.8万人、小学校が900校あまりで在校生が94.9万人、一般中学が650校あまりで中学校の在校生が30.9万人、高校の在校生が15.3万人、中等職業学校(専門学校)が110校あまりで在校生が7.7万人、大学が90校あまりで在校学部生と専科生(短大生)が58.6万人、大学院の在校生が34.2万人に達している。
大学の「双一流(世界一流大学・一流学科)」構築事業の成果が顕著。北京では大学の分別改革、特色ある発展を積極的に推し進め、内包的発展を強化している。34校の大学、164個の学科が国家「双一流」建設リストに登録され、194個の学科が教育部学科評価Aクラス(全国の27%を占める)に入選され、国家科学技術に関する三大大賞に受賞する回数が全国大学の全体の20%以上を占め、さらに22個の「高精尖(ハイレベル・精密・先端的)」革新センターと99個の「高精尖」学科が築き上げられ、学科の開設及びイノベーション能力が安定して全国1位に居座る。職業教育(専門教育)は産業構造のモデル転換とアップグレードを加速させることに着眼し、7校の高等職業学校が国家の特高計画(中国特色的なハイレベル高等職業学校と専門建設計画)に入選し、さらに12校の特徴のあるハイレベル職業学校、40校のエンジニア学院とマスタースタジオを選出し、高度技術技能人材に対する一貫式の育成を実施している。北京経済職業管理学院は北京デジタル経済職業教育集団の創立を牽引し、シーメンス、テンセントなどデジタル経済分野のトップ企業と協力し合い、全方位的にデジタル経済の発展にドッキングし、人材育成の能力が絶え間なく増強されている。
教育分野における対外開放の構造が初歩的に形成。北京はウィンウィンの協力を積極的に促進し、教育分野の対外開放の新しい局面を切り開く。「教育領域開放改革三年行動計画」と「国際学校発展三年行動計画(2019~2021年)」を打ち出し、「三城一区」(中関村科学城、懐柔科学城、未来科学城、北京経済技術開発区)などの重点エリアで一連の国際学校を新築し、中小学校と幼稚園に対する外国人学生の入学を全面的に開放させ、15校の外国人子供向け学校が運営している。清華附中国際部の外国人学生向け教育試行プロジェクトが国内初の公立学校を拠点に、外国人の子供に対する教育を展開させ、外国人向け教育の良好な教育環境と市場環境が創造された。一方、北京市は広範囲に国際教育ガバナンスに参加し、教育改革と発展の成功経験を共有したり、「一帯一路」教育交流・協力をさらに深めたり、教育分野における国内外の人文交流を強めたり、国際化の人材を育成し集結させている。それに、国際的特徴ある学校を建設し、外国人向けの公共教育サービスの提供を完備させ、「中外合作弁学(中国と外国教育機関によるトランスナショナル教育)」のレベルを向上させている。さらに「北京留学」のブランドを樹立し、留学生の規模を着実に広げ、北京が主要な国際留学中心地と世界中の傑出した若者の憧れる留学の目的地になれるよう努め、国際一流の調和的で住みやすい都市をまず大まかに完成させるよう、重要な支援を提供している。
文化と観光産業は基幹産業としての地位を固めている。2018年一定規模以上の文化産業収入が10703億元に達した。2019年1月から11月まで、全市の一定規模以上の文化産業の収入は同期より8.3%増の合計11146.2億元を達成した。都市部住民一人当たりの教育文化娯楽支出は同期より7.6%増の4738元を達成した。2019年北京の観光客数は延べ3.22億人に達し、観光総収入は同年より5.1%増の6224.6億元に達し、全市GDPの6%を占めている。
文化市場主体が迅速な成長を遂げている。2019年までに、全市には827の文芸演出団体、1871の演出仲介機構、170の公演場所経営機関、2075の娯楽施設とインターネット接続サービス営業場所がある。全市には400の星付きホテル、1386のビジネスホテル、4786のゲストハウス、3016の旅行社、3.45万人の資格所有のガイド、8499人の海外旅行ツワーの添乗員、238の等級付き観光地・景勝地、274の星付き民俗村、6042の星付き民宿、547の特別業態、9つの中国初の郷村観光重点村に入選した施設があり、観光就業者数は100万人以上を保持している。
有力産業の競争力が強くなりつづけている。2019年北京のマンガ・アニメ・ゲーム産業の総生産額は2018年に比べ、同年より14%増の806億元に達した。2019年北京のマンガ・アニメ・ゲーム企業の輸出額は2018年より93%増の352.52億元に達している。2019年北京演出市場では合計22823回の公演が行われ、観客人数は延べ1040万人に達し、興行収入が17.44億元にも達している。
観光産業革新体系が完備されつつある。2012年に北京観光発展基金が設立されて以来、2018年末時点では、約150億元の社会投資をもたらした。2013年、北京市では中国初観光資源取引プラットフォームが発足し、京津冀観光融資サービスプラトフォームに拡大した。2018年末、同プラットフォームが520余りのプロジェクトを発表し、その関連金額が1800億元を超えている。
2014年、中国初の観光担保プラットフォームである北京近郊観光融資担保プラットフォームが設立され、中国初の郷村観光も含む政策保険が発表された。2018年末時点で、北京近郊観光融資担保プラットフォームは関連金額16.99億元に達する合計796の観光担保項目を執り行い、北京近郊観光政策保険は合計4455戸の民宿経営者を引き受け、30.14億元に達するリスク・マージンを請け負った。
2019年、文化と観光消費を促進する12項目の対策が制定され、中軸線南地区の文化遺産体験巡りルートが考案され、18種の「清明踏青紅色游」(清明節の遠足、赤色巡り)をテーマ観光のルートが発表され、543種類の北京土産が新しく発表された。観光業の業態は豊かである。レッドツーリズムは特徴的で、高齢者向け観光も発展し続けている。北京近郊観光が特色のある発展を遂げており、「北京土産」のブランド影響力が高まりつつある。延慶区・平谷区・懐柔区の三区は国家レベルの全域観光モデル区の創設に成功している。
北京市は「低端有保障、中端有供給、高端有市場」(ローエンド市場が保障され、ミドルレンジ市場に供給があり、ハイエンド市場に需要がある)の原則に基づき、高齢者介護サービスの社会化・産業化改革の推進に力を入れ、高齢者介護サービスの提供を拡大している。2019年末時点で、合計536の高齢者事業機構、305の街道(郷鎮)高齢者介護施設センター、915の高齢者介護サービスコミュニティステーション、10.4万台の高齢者介護サービス用ベッドが建設・運営されている。北京市の70%以上の高齢者介護サービス用ベッドが社会資本によって建設・運営されている。
参入基準の引き下げ。新しく訂正された「老年人権益保障法」を着実に実行し、高齢者介護機構の設立許可を全面的に取り消し、高齢者事業機構登録制度を実行する。高齢者介護サービス事業に従事する市場経営主体が工商登録手続きを行う場合、または関連規定に基づいてチェーン展開をする場合、同一の区レベルの行政区域で「便宜を図るルート」(優先窓口)を通じて登録手続きをまとめて完成させることができる。民政部門で社会サービス機構として登録されている場合、関連規定に基づき、登録機関の管轄範囲内で複数の法人資格を持たない拠点を設置することができる。外商投資参入条件を緩和し、外国投資者が国内投資者と同等の待遇を享受できることを明確にした。
公立高齢者事業機構改革を深化させる。公立施設の民営化改革を全面的に推進し、新しく建設された高齢者事業機構の運営管理を民間資本に任せることによって、公立高齢者事業機構の最低限の保障機能を着実に発揮させると同時に、市場メカニズムの決定的な役割を果たさせ、高齢者介護サービスの社会化・産業化発展を促進する。2019年末時点で、218の北京市公立高齢者事業機構のうちの140が民間運営を実現し、その割合は60%を上回っている。
運営を更なる力で支援する。北京市金融局とともに「高齢者介護サービス業の発展への金融支援に関する実施意見」「商業養老保険の発展の加速に関する実施意見」を発表し、高齢者介護サービス機構の融資困難、融資コストが高い問題に着眼して解決策を探る。街道(郷鎮)高齢者介護センターの建設支援と運営管理方法を制定し、社会資本が設立した介護センターに対して最高450万元の補助金を給付する。高齢者事業機構運営手当管理方法を発表し、高齢者事業機構に差別化される手当を提供し、各ベッドに毎月最高1050元の手当を給付する。高齢者介護サービスステーション運営支援方法を発表し、各ステーション平均で30万元の建設手当を一括で給付した上で、さらにサービス費用の50%以上の割合で利用者人数手当と入居人数手当、チェーンブランド手当を給付する。高齢者介護サービス機構の総合責任保険手当政策を全面的に押し進め、北京市財政で保険費の80%を負担し、残りの20%はサービス機構の自己負担とする。
土地施設に関する支援サービスを提供する。2016年に発表された新築コミュニティ付帯高齢者介護サービス施設の引き渡し方法によって、付帯の高齢者介護サービス施設の所有権は無償で民政部門への引き渡しが規定されている。2019年までに、各区の民政部門は既に80軒以上の高齢者介護施設を引き受けた。建設項目計画利用性質についてのポジティブリストとネガティブリストを発表し、高齢者介護施設をポジティブリストに入れ、全市の施設移転によって生じた遊休施設を高齢者介護施設の建設に優先的に使用することが規定される。
集中式在宅高齢者介護サービスモードの革新と探索に力を入れる。「財産権共有高齢者介護サービス施設の運営管理事業への取り組みのさらなる達成に関する意見」を発表し、集中式在宅高齢者介護サービスコミュニティの試行運用を行い、社会化・産業化によって高齢者に介護サービスを提供することで、多様化するニーズに応じ、ターゲットを絞って高齢者介護サービス供給側の構造改革を展開する。
北京における公認会計士業。北京地区の公認会計士業は、サービス範囲が首都から全国に及び、さらに海外進出を実現している。首都の現代ハイエンドサービス業の中でも、人々の注目を集める一部となっている。2019年末時点で、北京地区では726の会計事務所があり、資格保有の公認会計士の人数が13289人に達し、業界規模は全国で上位となっている。同業種の収入も安定に伸び、2018年には公認会計士業界の業務収入が165.78億元であり、全国同業種の総営業高の21%近くも占めている。中国注册会計師協会によって公布された2019年総合評価上位100社リストの中で、北京地区に属する38社が選ばれている。全国の業務収入が1億元超えの49社の特大型事務所のうち、27社が北京地区に属し、全国の55%を占めている。2019年末時点で、全国において証券サービス業に従事する会計事務所が計40社あり、うち、北京地区の事務所が22社あり、全国の55%を占める。全国でA+H監査資格を持っている11社の会計事務所の中で、7社が北京地区に属し、全国の64%を占めている。2019年4月30日までに、上海と深圳で年度報告書を公開している計3587社の上場会社の中で、1805社の報告書が北京地区の会計事務所によって出され、公開数の50.32%を占めている。
資産評価業。北京における資産評価業は改革開放を契機に発足し、改革開放によって繁栄し、改革開放の中で壮大な発展を遂げていく。2019年末時点で、北京地区に所属する資産評価機構の数が297に達し、登録済みの資産評価士の人数が4308人になり、業界規模が全国で上位となっている。2018年に37.22億元の業務収入を獲得し、全国同業種の総収入の20%を占め、業務収入が1億元超えの特大型評価機構は7社もある。2019年全国資産評価機構総合評価番付100社リストの中に36社が選ばれている。2019年末時点で、全国において証券評価機構が69社あり、その中の35社が北京地区に所属し、50.72%の比率を占めている。
認証サービス業。「中華人民共和国認証認可条例」が実施されて以来、北京地区では既に製品、サービス、管理体系などを対象とする各種の認証・認可を網羅する認証システムが築き上げられている。2020年5月末時点で、北京地区では250の認証機構があり、全国の38.5%を占めている。10の外資系の認証機構があり、全国の15.8%を占めている。さらに、28の有機産品認証機構があり、全国の33.7%を占めている。北京地区では合計96603枚の認証証明書が発行され、認定証明書を受ける組織数が36278に達している。認証・認可のもたらすフィードバック効果によって、消費と仕入れが誘導され、効率的な市場選択メカニズムが成り立、生産企業が管理水準及び製品とサービスの品質を向上させるよう促され、有効な供給が増加される。認定業種の社会認知度がますます高くなり、グリーン、有機農産物認証などのハイエンド認定の権威性と影響力も日増しに拡大している。
建築工学設計サービス業。「革新、調和、グリーン、開放、共有」の発展理念に基づいて、北京は工程探査設計業に広大な成長の場を提供している。現在、北京地区では1700あまりの工学設計機関があり、従業者数が12万人あまりであり、ここ数年の営業高が700億元あまりを超えている。全国の13%近い工程探査設計総合甲級企業が北京に集まり、人材の面で両院(中国科学院と中国工程院)院士1人、中国工程院院士2人、全国監査設計名人124人、登録建築師と探査設計登録エンジニア21000人あまりあり、企業の規模と数量の面においても、ハイレベル人材の面においても、業界全体を牛耳っている。高品質の発展という要求を満たすために、工程探査設計機関は古い都市の歴史建築物を保護すると同時に、現代化都市の発展への需要をも考慮に入れ、国際的視野と自文化に対する自信を持っている建築士を育成している。設計業界のサービス力が明らかに向上し、技術イノベーションの形がより多様化し、科学技術の革新と工程プロジェクトの関連もより緊密になっている。それと同時に、企業はモデル転換とアップグレードのペースを速め、一部の機関が固有の設計業務からプロジェクト全過程コンサルティング、工程一括請負へと業務を展開してきている。京津冀(北京・天津・河北)地区の共同発展を繰り広げ、雄安の「千年の大計」、「一帯一路」の国際戦略を建設することは、北京の探査設計業に将来に向けて国際に向ける長期的な発展スペースを提供し、世界中の建築士団体がその才能を生かすより広い舞台を提供している。
広告業。首都が全国の政治、文化、国際交流、科学技術革新センターである優位性を拠り所にし、北京の広告産業はここ数年、迅速に発展し、今や全国トップクラスに立っている。2019年に全市の広告業の営業高が2565億元に上り、広告業に従事する機関が40174あり、従業者数が137729人に達している。北京に豊かなマスメディアリソースが集まり、全国でマスメディア機構が最も多い都市である。この極めて強いマスメディアクラスターにおいて、中国で最も影響力のある広告配信プラットフォームが形成された。北京市では数多くの金融機構、国内外の有名ブランド会社、業界の最先端を行く企業が集結し、北京市の広告業の発展に大いに貢献している。北京は広告業人材の面においては、比類なき優位性を持ち、マスメディア、ニーズ、資本、人材が密集し、広告会社の高速発展が促進されている。現在、北京では既に上流市場調査やブランド企画から、核心機能広告の企画、媒介企画、クリエイティブ・デザインに及び、さらには下流市場にあるマスメディアへの配信、終端での販売促進、広告製作、展覧会宣伝など、比較的に完備された広告産業チェーンが築き上げられた。
法律サービス。2020年6月までに、北京市の弁護士執業証を所得した弁護士の人数は合計35464人である。そのうち常勤が31765人(派遣520人を含む)、非常勤が951人、公職弁護士が1414人、企業弁護士が683人となっている。弁護士事務所は合計2781社である。そのうちジェネラル・パートナーシップが1640社、スペシャル・ジェネラル・パートナーシップが33社、個人経営が993社、外省弁護士事務所の北京支所が115社である。2019年、全市の弁護士が処理した訴訟案件は合計218876件であり、非訴訟法律事務案件は合計184534件であり、担当した法律援助案件は合計22920件に達している。合計43436社が法律顧問を担当している。2019年、北京弁護士業務収入は合計273.73億元で、納税金額は34.70億元に達している。改革発展に注目し、北京市「弁護士制度改革を深める実施意見」「公職弁護士と企業弁護士の事業展開に関する実行案」の発表を推進し、北京市「法律事務所管理方法実施細則」「弁護士執業証管理方法実施細則」を修訂し、首都の特色のあり、北京の特徴が体現されている弁護士制度改革を深める業務枠組みを積極的に作っている。「一帯一路」建設・京津冀協同発展・副都心建設・冬季オリンピック開催準備などの重要な仕事と重点任務を中心に、特定項目に対する法律サービスを提供する。ブランド開発に注目し、弁護士事務所を規模化・専門化・正規化・グローバル化の発展へ導き、「北京弁護士」ブランドを初歩的に構築する。
知的財産権サービス業界。北京地区における知的財産権サービス業界は、ジャンルが揃い、産業チェーンが完成され、良心的な価格で優れたサービスを提供する業界システムを形成しています。2019年末時点で、北京地区は643の専利(特許)代理機構と、8580人の免許所有専利(特許)代理人を有し、それぞれ全国総数の24.66%と42.09%を占めています。そして、登録商標代理機構は5605社に達しています。海外イノベーション主体が中国で専利(特許)ポートフォリオのプランニングを行う際、ほとんど北京市の知的財産権サービス機構が提供するサービスを利用しています。北京知的財産権サービス業界は各種の市場主体に、専利(特許)・商標・著作権・地理的標示・集積回路レイアウト設計・新種植物・営業秘密・反不正当競争などの細分化された分野にわたり、知的財産権代理・法律・情報・研修・運営・カウンセリングサービスなど異なる業種を網羅するサービスを提供し、世界で100余りの国や地域の企業を業務サービス対象としています。2019年、北京市は知的財産権ビルにて「北京(中関村)国際知的財産権サービスホール」を設立し、北京市の優秀な知的財産権サービス資源を集め、イノベーション企業と知的財産権サービス専門機構のマッチングプラットフォームを築き上げました。
生命科学の最先端のオリジナルかつ革新的な研究、重大疾病の科学技術対策、医薬・健康産業におけるイノベーションとアップグレードを強化することは、北京市が全国科学技術革新センターを建設する上での重点的な任務の一つである。2017年12月、北京市政府が「北京市科学技術創新の加速及び医薬・健康産業の発展に関する指導意見」を公布し、医薬・健康産業を、これから北京市が重点的に発展する十大「高精尖」(ハイレベル・精密・先端的)産業の一つとしている。2018年、北京市はまた先立って、「北京市医薬健康協同創新の加速に関する行動計画(2018-2020年)」を公布し、医薬・健康産業におけるイノベーションの活力と成長の原動力をさらにかき立てる。2019年から、北京市は医薬・健康産業の配置を重点的に行い、同産業が情報技術とともに同市の発展を支える二つの「エンジン」となりつつある。
現在、北京の医薬・健康産業は一定程度の規模を備え、2019年の企業全体の営業高が2000億元を超え、前年同期比10.6%増加した。その地理上の配置が比較に集中し、「一北一南」との集積地域が形成されており、全市規模の80%を占めている。北では、中関村生命科学園をコアとしている。南では、亦荘、大興をコアとするハイエンドの製造クラスターが形成されている。国内最も豊かなイノベーションリソースを保有し、基礎研究面での実力を誇り、70余りの医薬・健康関連の研究を行う科学研究事業体及び大学、80余りの国家級重点実験室とエンジニアリング・テクノロジー研究センター、そして国家タンパク質科学センターなど4つの国家重大科学技術インフラ施設がここに集約されている。ハイエンド人材がここに集まり、医薬ヘルス分野のハイエンド人材の数が国内トップに成り上がり、中国科学院院士と中国工程院院士の保有数がおよそ全国の半分に達している。イノベーション企業が著しい発展を見せている。
現在、北京において数多くの新興技術企業が名を上げ、既に百済神州、諾誠健華などの有名企業が順調に育成され、分子標的薬剤、免疫療法薬などの分野で世界トップ水準に達している。康辰薬業、熱景生物、佰仁医療、康龍化成、諾誠健華などの企業が相次いで上場し、上場企業の数が41社にも達している。革新的な製品の種目も多く、オリジナルなイノベーション製品の数が国内で最も多い。1億元レベルの品種目を多数有している。2019年から現在にかけて、北京市では3種類の革新的な医薬品が市場に出回り、その数量が全国で2番目に多い。医薬・健康企業は北京市の全国科学技術革新センターと「高精尖」経済構造の構築に有力な支援を与えている。
デバイス産業とは国民経済の各部門の発展と国家安全上の需要を満たすために、各種の技術デバイスを製造する産業の総称である。国民経済業種コードによれば、北京におけるデバイス産業は6の製造業の大分野、48の中分野と205の小分野に及ぶ。北京の産業特徴を踏まえ、「高精尖」(ハイレベル・精密・先端的)産業の属性に合致するスマートデバイス産業は、計73の小分野に属されている。長年にわたる育成と発展を経て、北京市におけるスマートデバイス産業は次第にロボット及びスマート製造デバイス、ハイエンドエネルギーデバイスという2大分野を牽引力とする「二輪駆動」、及び特色のある専門デバイス分野において数多くの成果があげられる「多点開花」という「1+1+N」の産業配置が築き上げられている。
2019年、デバイス産業の年間生産額が2478.7億元で、前年同期比2.6%増加した。一つは、イノベーション能力が突出していることである。1の国家製造業革新センター、6の国家工程研究センター、145の企業技術センター(全市企業の技術センターの総数の19.2%を占め、ソフトウェア産業の割合に次ぐ2位になっており、ほかのすべての製造業分野の割合を上回っている)を有している。北京市の一定規模以上の設備産業関連企業の平均研究開発投資強度が2.5%(研究開発費用の主要業務売上高に対する割合)に達し、全市の一定規模以上の工業の研究開発投資強度(1.3%)を超えており、全国の一定規模以上のデバイス企業の研究開発投資強度(1.6%、同じ計算方法で得た設備産業のデータ)をも上回っている。二つは、総部経済(ヘッドクオーターズ・エコノミー)の特徴が際立つということである。世界トップ500社に入選されるデバイス製造企業の中には16社(4社の外国企業と12社の中国企業を含む)が北京に本社又はアジア太平洋地域の本拠地を置いている。北京の年間生産額が1億元を超えるデバイス産業の中で、中央企業傘下の機関が48あり、中国航天科技集団、中国機械工業集団など27社の一級中央企業に及ぶ。中央企業の生産額が全市のデバイス産業の生産額の14.4%を、スマートデバイス産業の生産額の20.0%を占めている。三つは、「専精特新」(専門化・細分化・特色化・先端化)という優位性を有していることである。工信部によって公布された第1~4陣の種目別チャンピオン示範企業のリストの中で、入選された18社の北京企業の中に、計11社がデバイス企業である。その中で、北京精彫科技公司は中国でCNC高速彫刻機製造においてはリーダー的存在であり、同方威視技術股份有限公司は中国一流の、セキュリティチェックに関するソリューションを提供するプロバイダーである。また、北京金風科創風電設備有限公司は中国一流の風力原動機メーカーである。
北京市の省エネ・環境保護産業は全国において業界をけん引する地位を占めている。省エネルギーサービス、水処理、大気汚染対策、固体廃棄物処理、土壌及び生態系修復などの分野で、自主的な知的所有権とキーテクノロジーを把握する基幹企業が集まり、比較的に強い競争優位性を持っている。
産業に関わるイノベーション・リソースが豊富である。50あまりの国家部委(中央省庁)に属する省エネ・環境保護科学研究機関、60あまりの市レベルの省エネ・環境保護重点実験室とエンジニアリング・テクノロジー研究センターを持ち、省エネ・環境保護分野の国家重点実験室、国家登録済みの省エネサービス企業、甲種環境工学設計資格を有する機関、環境工学専門施工請負一級資格を有する機関、甲種環境評価資格を有する機関、環境汚染治理施設運営資格を有する機関の数量はいずれも全国で上位を誇る。
本部型企業による優位性が突出している。北京市には全国を投資対象とする本部型企業が集まり、中には既に中国節能環保集団、中化環境、中国恩菲などの大手中央企業とその分支企業があれば、同時に北控水務、首創股份、北排集団など市属の国有企業もあり、工業企業、園区などに省エネ・環境保護に関する総合サービスとソリューションを提供でき、実際の項目(プロジェクト)も展開できる。一方、同市の豊かな資本と技資源、大手企業の本部所在地というリソースを頼りに、技術研究開発、投資建設と総合運営サービスが一体化される省エネ・環境保護サービスのモデルが作り出され、省エネ試験、環境汚染の第三者による処理、環境保護の総合サービスなど省エネ・環境保護関連の新業態が続々と現れ、関連企業の業務範囲も全国ないし海外に及んでいる。
自主イノベーション型企業が高速に成長する。ここ数年、創業のインキュベーター、共同出資による提携、大手企業から省エネ・環境保護業務が切り離されるという専門化を通して、北京市では多くの省エネ・環境保護企業が迅速に成長するようになり、上場企業の数が全国で上位に達し、碧水源、桑徳集団、高能環境、啓迪環境、雪迪龍、緑創環保、博天環境などコア・テクノロジーによる優位性を持つ自主イノベーション型企業が続々と現れ、さらに細分化された分野において、同業界の最先端を走っている。
今後、省エネ・環境保護分野において、産業技術の水準と設備製造能力の向上に重点を置くことを主軸とする。企業が技術開発、ハイエンド設備製造とモデル応用を強化するよう励まし、さらに省エネ・環境保護総合的サービスの能力を強め、産業の迅速かつ健康的な発展と産業チェーンの合理的な配置が実現するよう導き、北京市を全国省エネ・環境保護産業における技術革新の「策源地」、ハイエンド設備の「牽引者」、サービスリソースの「集積地」及び市場応用の「モデル区」として建設していく。
北京市では電気自動車(BEV)と燃料電池自動車(FCV)を両方とも発展する事業展開方針に従い、インテリジェント化を発展方向とし、科学技術のイノベーションによる駆動力を強化し、産業の育成を加速させ、産業の成熟度による等級別の推進、トップ企業、産業チェーン、イノベーションの体系、実行に関するメカニズムを兼有する産業発展の局面を築き上げ、産業集積の初期段階の効果が現れている。
電気自動車は既に市場化の段階に入り、完成車、キーパーツ、充電インフラ施設、プラットフォームサービスなど多くの段階を含む比較的に完備されたチェーンが構築されている。イノベーションによる発展を促進し、電気自動車の完成車と「三電システム」(電池、電動機、電気制御システム)の協同開発を実現する。燃料電池自動車はまだ導入期にあり、完成車のテクノロジーの水準が向上しつづけ、燃料電池のリアクトルに関する独自研究開発能力のも向上しつつあり、さらに2022年北京冬季オリンピック・パラリンピック大会の自動車に対する需要に応え、水素エネルギー体系の配置と建設を加速させ、燃料電池自動車のモデル応用を促進する。インテリジェント・コネクテッドカーをめぐるイノベーションの形態を構築し、率先して一連の政策を含む体系を作り、自動運転の走行試験において国内の先端に立つ。合計で151本、計504kmの試験路面を開放し、13社の企業の77台の自動車に285枚の試験ライセンスを配布し、走行試験の道のりが122万kmを超えた。経済技術開発区では既に40km2の地域が開放され、冬季オリンピック大会を目指して、自動運転車のモデル応用を展開している。
科学研究プラットフォームの支援機能を生かす。クロスボーダーの資源を統合し協同革新を図り、産業の公共サービスプラットフォームとハイエンド人材育成及び交流プラットフォームを構築し、これらのプラットフォームのインキュベーター企業、資源集積及び産業牽引における働きを発揮させる。その中、国家新エネルギー自動車技術革新センターでは自主的、安全的、制御可能なコアチップの開発、自動車標準に合う半導体の自動車搭載検証、及びオープンプラットフォームの構築を展開する。国家インテリジェント・コネクテッドカー革新センターは優位性資源と連携し、OS、高精度地図、情報安全などの課題をめぐって共同開発をし、コアパーツの試験・検証プラットフォームを構築する。国家動力電池革新センターでは新型リチウムイオン電池の難関突破を加速させ、動力電池検測試験センターを創設した。
産業の集積効果は現れ始めている。海淀区は現在インテリジェント・コネクテッド革新企業の集積地域となり、順義区は、北京経済技術開発区は新エネルギー自動車の成果実装・発展の集積地域に成長し、数多くの国家レベルの革新センター、業界のトップ企業、ユニコーン企業など優秀な機関を導入し、産業集約のレベルがより一層向上した。北汽新エネルギーハイエンドインテリジェント化工場プロジェクト、北京ベンツ新エネルギー自動車プロジェクト、北汽福田水素燃料大型バス総組立基地プロジェクトなどを重点的に促進し、完成車による牽引を強め、それによる産業チェーンの上下流における重要なプロセスを着実に建設し、全産業チェーンを統括して協同建設を推進し、集積発展能力を向上させる。
北京における新素材産業は安定に成長し、一部の「高精尖」(ハイレベル・精密・先端的)企業が高品質の成長を実現し、重点のプロジェクトが順調に展開され、経営環境がさらに改善されている。2019年に、北京市の新素材関係企業の年間売上高が約1200億元に達した。主要業務の面から見れば、新素材業務を主要業務とする企業とそれを支えとする企業の数が計130社を超え、93.6%を占めている。その中で、新素材業務を主要業務とする企業は52.8%を占め、新素材業務を支えとする企業は40.8%を占めている。重点分野から見れば、第3世代半導体、光電子素材、集積回路用素材、レアアース素材などキーとなる戦略的な素材産業の成長が比較的速い。地域上の分布から見れば、6割近い企業が海淀区、順義区及び昌平区に集中している。
関連企業の集積地において、品質と効率の向上を速め、重点とされるメインボードを明らかにする。順義区では第3世代半導体産業をめぐって全方位の配置を行い、現在まで既に約100社の関係企業を導入しており、チップ産業を中心として、デザイン、基板、エピタキシャル、チップ、部品、モジュール、パッケージ、検測、設備及び応用が一体化された全産業チェーン配置を形成した。房山区では新型モニター素材、集積回路用素材、グラフェン素材などの重点産業をめぐって、産業の配置を拡大し、新素材産業の品質向上とモデル転換を加速させている。
北京における人工知能産業は、既に基本的に完備された産業チェーンが築き上げられ、ベース層・テクノロジー層・応用層の三つの段階が含まれ、世界的な影響力を持つ産業形態の構築も速められている。現在、北京では人工知能分野に従事する人材が約4万人で、全国の同分野に属する人材の総人数の60%を占め、全国1位となっている。2019年に北京市では中国初の国家次世代人工知能創新発展試験区の設立が認可された。科技部の審査・認可意見書によると、15の国家次世代人工知能開放創新プラットフォームの中の7つが北京で建設される予定とのことである。
北京における人工知能企業は著しい優位性を持ち、絶え間なく活躍している。現在、同市の人工知能関係企業の数が1000社あまりに達し、主に海淀区と朝陽区に集中している。百度(バイドゥ)、京東(ジンドン)、小米(シャオミ)などの大手IT企業は積極的にAI分野で業務を展開し、人工知能技術が既に企業の業務向上を推し進める主要要因となっている。百度、小米、京東、字節跳動(バイトダンス)などの企業の売上高は既に千億元(人民元)の大台を突破し、美団点評(日本支社:XIGUA株式会社)、奇虎360(チーフー)、好未来(TAL)などの収入額も百億元人民元を超え、引き続き上昇の勢いが伺える。
北京では人工知能分野における高速成長型企業の国際的な影響力が引き続き拡大し、国際研究機関CB Insightsによって公布された2019年世界AIユニコーン企業リストを見れば、世界中の計46社がランクインされ、12社の中国企業が入選され、その中の8社が北京企業である。さらに同機関によって選出された2020年世界AIスタートアップ100社番付リストの中にも、6社の中国企業が入選され、その中の3社が北京企業である。
2019年において、北京のソフトウェアと情報サービス業は良好な成長を見せ、一定規模以上のソフトウェアと情報サービス業が13464.2億元の売上高を実現し、前年同期比14.4%増加した。業界全体は4783.9億元の付加価値を実現し、全市のGDPを占める割合が13.5%に達し、同市の経済に対するけん引の働きが強化されつづけている。
質と効率の同時の向上が実現され、一定規模以上の企業の平均売上高が3.8億元で、前年同期比13.9%増加した。一人あたり売上高が149.8万元で、前年同期比19.0%増加した。同業界においてイノベーションも活発であり、2019年には北京のソフトウェア著作権登録件数が20万件を超え、前年同期比24.2%増加し、全国の13.7%を占めている。大型・中型企業の研究開発費用が計1153.7億元に達し、前年同期比19.7%増加した。基幹企業は引き続き活躍し、工信部によって選出されたソフトウェア業務売上高トップ100の企業と中国インターネットトップ100企業などのリストの中で、上述した企業の入選社数がいずれのリストにおいても全国1位となっている。
インダストリアル・インターネット産業体系の形成を加速させる。インダストリアル・インターネット産業標識解析国家最上位節点(北京)の運営が始まり、接続された業界二級節点の数も標識の登録数も全国1位となっている。北京インダストリアル・ビッグデータ革新センター、工業技術ソフトウェア化(北京)革新センターと国家デジタル化設計と製造センターの北京センターが建設され、中国インダストリアル・インターネット研究院も北京にその本拠地が置かれている。国家インターネットセキュリティ産業園区の建設が段階的な成果をあげている。国家インターネットセキュリティ産業園区の正式な除幕式が行われた。海淀園の中核エリアの本棟が着工され、園区の発足セレモニーが行われた。2019年中国インターネットセキュリティ産業サミットフォーラムが順調に開催された。経済開発区信創園で国家信息技術応用創新核心基地が建設された。人工知能関連のイノベーション成果の実装が加速させられている。「2019北京人工知能産業発展白書」が編纂され、北京の人工知能関連企業は引き続き、量と質の優位性をもって、全国業界の先頭に立って活躍している。
北京市における科学技術サービス業は研究開発、デザイン、エンジニアリング技術、検測と試験、技術の普及と移転、起業のインキュベーター、フィンテック、知的所有権、技術コンサルタントなどを網羅するサービス体系が築き上げられた。中でも優位性を持つ主な分野として、フィンテックサービス、エンジニアリング技術サービス、研究開発サービス、及び技術の普及と移転に関するサービスなどが挙げられる。
2019年、北京市における科学技術サービス業に従事する一定規模以上の企業の数が4000社を超え、営業高が1万億元を上回った。地域上の分布から見れば、科学技術サービス業は主に海淀、東城、朝陽、西城などのエリアに集積している。同時に技術取引市場の成長も迅速で、全市における認証済み・登録済みの技術契約の取引高が5600億元を突破し、全国1位となっている。
北京は世界中においてもイノベーションリソースが最も豊富な地域の一つである。世界知的所有権機関(WIPO)が公布した「グローバル・イノベーション・インデックス 2019」によると、北京は世界のテクノロジークラスターの上位5位にランクインされている(第4位)。北京市では数多くの一般大学と専門学校、中央レベルと地方レベルの各分野の科学研究機関が集い、知識技術と人材などに関するイノベーションの面で最先端を誇る優位性を持っている。