（写真提供：北京市房山区人民政府）

蝙蝠山は十渡景勝区でも特に趣のある場所です。言い伝えによると、昔、ここは小高い丘が1つあるだけでした。その年は雨がよく降り、夏の初めに何度も集中豪雨に見舞われ、河川が氾濫し、下流の多くの村や田畑が流されてしまいました。ある日の深夜、三世代の家族を引き連れた色黒の男が十渡に物乞いにやってきました。一家はみな血色が悪くやせ細っていました。十渡の人々は一家を不憫に思い、みな率先して温かい食事を食べさせたり、住む家を提供したり、服や布団を用意してあげました。色黒男の一家は感動して涙を流しました。

その夜、またもや稲妻が轟き、大雨となり、雨が延々と降り続きました。いつ山津波が生じてもおかしくない状況になり、村人の生命と財産が重大な危機にさらされました。真夜中、村人は色黒男の一家20～30人を連れて、村の東にある小高い丘に移動しました。丘の頂上についたとたん、洪水が村を襲い、丘も水に囲まれ、水位がどんどん上昇し、避難した人々はいつ呑み込まれるかわからず、命が危険にさらされました。そんな中、人々は突然、水位の上昇とともに丘が高くなっていくことに気づきました。丘が徐々に水面よりも高くなり、丘の上にいる人々は宙に浮いているような気持ちになりましたが、恐さは少しも感じませんでした。

夜が明けると、水は徐々に引きました。避難した人々は互いに助け合い、来た道を戻って下山しました。村の近くまで来て、ふと丘を振り返り、人々は驚きの声を上げた。なんと黒い蝙蝠が自分たちを守ってくれたのです。丘だと思っていたのは蝙蝠の頭でした。村につき、色黒男とその一家を探したがどこにもいませんでした。彼らは地上にそびえ立つ山になっていました。

（情報提供：房山区文化観光局）