japanese.beijing.gov.cn

【1041】老北京婚俗 VCG 内容 800.jpg

(写真提供:VCG)

古都北京の結婚習俗においては、非常に厳格なプロセスがあります。主な段階として、お見合い、結婚可否の占い、結納、花嫁を迎えるという4つの段階があります。お見合いは、双方の両親が相手を見定め、結婚を決める過程です。ここで第一段階の決定をした後、「占いの館」に行き、八字を基に相性など「結婚可否の占い」を行います。以前は、この部分が大変重要でした。なぜなら当時の「結婚証明書」は占いの館が「発行」し、「上等婚」と「中等婚」と認定されて初めて、男性側は結納が可能になるためです。結納は「小結納」と「大結納」の2種類に分けられます。

「小結納」とは、つまり最初の結婚の約束を行うことです。男性側は「幸福人」を女性側の家に派遣して結納金・結納品を届けます。結納品は比較的簡単で、多くはアクセサリー、服などです。「小結納」のプロセスはなくても構いませんが、「幸福人」は大変重要です。両親がそろっており、配偶者が健在で、子供がいる人という条件があります。さらに、必ず女性でなければなりません。「大結納」とは、正式な婚約のことであり、これ以降両家は結婚を取り下げることができず、儀式は比較的盛大に行われます。男性側は「婚礼店」に依頼して、結納品を2度に分けて花嫁の家へ届ける必要があります。1度目は占い館が認証した「結婚証明書」で、正式な結婚の吉日が記されています。2度目は「ガチョウの籠、酒壺」で、ガチョウは赤色に染める必要があり、酒は1壺でも2壺でも構いませんが、2壺の場合は黄酒、白酒を各1壺、つまり「金銀二酒」にする必要があります。この他に、女性側にアクセサリーや服などを贈ります。

これらのプロセスが終了後、両家は結婚式の準備を行います。結婚披露宴に必要な小屋掛けを行い、料理人を雇います。古都北京では、結婚披露宴を開かないことを「処理をしない」といいますが、多く見られることではありません。漢族の人々の披露宴料理の最低ランクは「猪八様」コースで、油っこさを减らすために、「花九件」コースもあります。裕福な家の場合は、ナマコ料理の宴席、すなわち「干しナマコ煮込み」コースです。さらに上のランクにはアヒルの手羽先料理の宴席があり、さらに豪華な場合は、ツバメの巣・フカヒレ料理の宴席がありますが、ここまで行うのは稀なことです。

古都北京の結婚習俗の特徴は、責任を果たす文化を重視する点です。若者の責任感を養う上で、重要な役割を果たしています。これらの一連の儀式は、新郎新婦に気付きを与えます。先人の恩恵に感謝し、背負った責任の重さを忘れてはならないという思いが、結婚に対する愛惜と畏敬の気持ちを若者に起こさせるのです。

例えば、伝統的な新婚夫婦の部屋には、布団の向こう側に「供物台」を置き、上には神札、香炉などを配置します。花嫁を迎える行列が出発する前に、男性側は「花嫁を迎えつ夫人」(すなわち花嫁を迎える儀式の全体指図をする人)の協力のもと、先に礼拝し線香を上げた後、「花嫁の輿を出発させる」ことができます。道中、輿の簾を開けてはいけません。城門、橋、祠などに遭遇した場合、赤い毛氈で輿の入り口を覆う必要があります。

以前は婚礼の楽隊の格式を大変重んじました。清朝末期、花嫁を迎える儀式はすべて日の沈む黄昏時に行いました。それは黄昏の「昏」と「婚」の発音が同じためです。花嫁を迎える時、牛の角の明かりを多い場合は120組、少ない場合でも32組使う必要があり、かなり壮観な光景でした。中華民国時代の初期になると、花嫁を迎える儀式を昼間に行い、明かりを使用しなくなりました。

花嫁を迎えた後の帰りの道は、必ず行きとは異なる道にしなければなりません。これは、「道は異なるが行き着く所は同じ」という意味を表します。花嫁は輿を降りた後、矢を射ったり、馬の鞍にまたがったり、火鉢をまたいだりします。ただ、これらは伝統的な結婚において、特に重要ではありません。伝統的な結婚において重要なことは、祭祀を執り行い礼拝をすることです。「花嫁を迎える夫人」の協力のもとで、夫婦2人は「供物台」に2本目の線香を上げ、ひざまずいて3回叩頭します。ただ、そばで「一礼、二礼」などと叫ぶ人はいません。夫婦が互いに拝礼する際も決まりはなく、言い伝えの中の「三叩頭」ではありません。線香を上げて礼拝することは、公開の儀式ではありません。礼拝が終わると、供物台の上の神札や黄紙などを持っていき、花嫁がまたいだ火鉢の中で焼く必要があります。いわゆる「神送り」です。北京の伝統的な結婚習俗の中で、「初夜に友人達が新婚夫婦の部屋におしかけて騒ぐ」という言葉はありません。花嫁を迎える全過程において、祭礼は最も重要な儀式です。これによって先人を慰め、結婚の幸せを祈願します。

(情報提供:人民網、中国文明網)