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北京東来順飯荘は清・光緒29年(1903)に創業し、当初は旧東安市場北門に構えられた。創業者の丁徳山は元々そこで粥屋を経営していた。その後、東安市場で火事が起き、粥屋は焼損した。市場の再建後、彼は元の場所に3軒の瓦ぶきの家を建て、「東来順羊肉館」を経営し始めた。集客のため、彼はたくさんの資金を費やし、前門の脇に位置する正陽楼飯荘から、包丁さばきの卓越した技能を持つ有名な料理人を招き、涮羊肉(羊肉のしゃぶしゃぶ)を任せた。この料理人は羊肉の薄切りに長けており、羊の産地、肉の部位、肉の切り方を独自に研究してきた彼の手によってスライスされた薄切り肉は、青花瓷の皿に並べられると、皿の文様が透けて見えるほど非常に薄い。
東来順は昔ながらの北京の涮羊肉の習わしを受け継いでおり、銅鍋を使用しつつも、民族特徴に基づいて新しい食べ方を開発し、景泰藍(銅製の七宝焼き)鍋を導入し、華やかな芸術的要素を添えた。東来順で使用される炭は機械で製造されたもので、クリーンで燃焼時間が長い。
2008年、東来順涮羊肉の調理技術は国家級無形文化遺産リストに登録された。
(情報提供:東城区人民政府公式サイト)