第一章 総則

第一条 外国の特許事務所の中国駐在員事務所の設立及びその業務活動を規範化し、中国における外国の特許事務所の駐在員事務所及びその代表者の合法的権益を保障し、業務環境を最適化し、特許代理業界の質の高い発展を促すため、「特許代理条例」、「外国企業駐在員事務所登記管理条例」及び関連法律、法規に基づき、本弁法を制定する。

第二条 本弁法にいう外国の特許事務所の駐在員事務所(以下「駐在員事務所」)とは、外国の特許事務所が法律に基づいて中国国内に設置し、外国の特許事務所の業務に関連する特許サービス活動を行う事務所をいう。

第三条 駐在員事務所及びその代表者は、中国の法律、法規を遵守し、特許代理の職業倫理及び自律規範を守り、中国の国家の安全及び公共の利益を損なうことのないようにすること。

第四条 外国の特許事務所の中国大陸部における駐在員事務所の設立に当たっては、国家知的財産権局の承認を受けなければならない。

国家知的財産権局及び省、自治区、直轄市人民政府の知的財産権管理部門は、法律に基づいて駐在員事務所及びその代表者を管理する。

第五条 駐在員事務所は、権利平等、機会平等、規則平等の原則に基づき、法律に基づいて知的財産権サービス業の発展を支援する国の政策及び措置を平等に適用する。

第二章 駐在員事務所設立許可の要件と手続き

第六条 中国駐在員事務所の設立を申請する外国の特許事務所は、国家知的財産権局に申請し、関連書類を提出し、外国の特許事務所の中国駐在員事務所の設立許可を受けること。

第七条 外国の特許事務所は、中国駐在員事務所設立許可の申請をする際に、次に掲げる要件を備えるものとする。

(一)中国国外で合法的に設立されている。

(二)5年超えの実質的な特許代理業務を行っており、その業務に関して自律的懲戒又は行政処分を受けたことがない。

(三)駐在員事務所の首席代表者は完全な民事行為能力を有し、特許代理士の資格及び3年以上の特許代理業務の経験を有し、業務に関して自律的懲戒又は行政処分を受けたことがなく、故意の犯罪による刑事処分を受けたことがない。

(四)本国で10人以上の特許代理士が業務を行っている。

第八条 駐在員事務所の名称は、外国の特許事務所の国籍、外国の特許事務所の中国語名、所在地の都市名及び「代表処」の文字の順で構成されるものとする。

第九条 外国の特許事務所が駐在員事務所の設立を申請する場合、国家知的財産権局に次に掲げる資料を提出すること。

(一)外国の特許事務所の主要責任者が署名した駐在員事務所設立申請書。

(二)外国の特許事務所の所在する国又は地域の関係主管部門が発行した営業許可証又は合法開業証明書。

(三)駐在員事務所の業務範囲が明記された外国の特許事務所から駐在員事務所の首席代表者への委任状。

(四)本弁法第七条(二)から(四)までの規定に該当する旨の関連状況説明書及び承諾書。

(五)駐在員事務所の代表者のリストと経歴書。

(六)その他の国家知的財産権局が提出を要求する資料。

申請書類が外国語で書かれている場合は、中国語の翻訳を添付する必要があり、中国語の内容が優先される。

第十条 国家知的財産権局は、許可申請を受理した日から3カ月以内に、承認するか否かの決定をすること。駐在員事務所の設立を承認する場合は、書面形式の承認決定を作成し、承認しない場合は、承認しない理由を説明する。

外国の特許事務所は、法律に基づいて承認日から90日以内に、登記機関に設立登記の申請をすること。

第十一条 駐在員事務所は、国家知的財産権局の承認決定を受けた日から2カ月以内に、駐在員事務所が所在する省、自治区、直轄市人民政府の知的財産権管理部門に届出を行うため、次に掲げる資料を提出すること。

(一)駐在員事務所の名称、住所、首席代表者、代表者、業務内容等の基本状況説明書。

(二)首席代表者及び代表者の身分証明書等の資料。

省、自治区、直轄市人民政府の知的財産権管理部門は、インターネットを通じて駐在員事務所の届出の円滑化を促進するものとする。

第十二条 駐在員事務所の名称又は事務所の所在地等に変更が生じた場合には、関連状況について国家知的財産権局に変更の申請をすること。

駐在員事務所の届出情報に変更が生じた場合には、関連状況について所在地の省、自治区、直轄市人民政府の知的財産権管理部門に届出変更の申請をすること。

第三章 駐在員事務所の管理

第十三条 国家知的財産権局及び省、自治区、直轄市人民政府の知的財産権管理部門は、「中華人民共和国行政許可法」、「特許代理条例」等の法律、法規及び国家の関連規定に基づいて、駐在員事務所及び代表者の行為を管理する。

第十四条 駐在員事務所は、法律に基づいて次に掲げる業務活動を行うことができる。

(一)外国の特許事務所が特許代理業務の承認を受けた国又は地域における特許事務に関して、当事者にコンサルティングサービスを提供すること。

(二)外国の特許事務所が特許代理業務の承認を受けた国又は地域における特許事務について、当事者又は中国特許代理機関から特許事務の委託を受けること。

(三)中国企業の海外投資、海外に向けた警告、海外での権利保護等の特許関連事務に関して、当事者又は中国特許代理機関から専門的なコンサルティング業務の委託を受けること。

(四)外国人の当事者を代表し、中国特許代理機関に中国特許事務を委託すること。

駐在員事務所は、法律に基づいて業務活動を行い、特許出願、特許権の無効宣告等の中国の特許に関する事務及び中国の法律に関する業務を行ってはならない。

第十五条 国家知的財産権局及び省、自治区、直轄市人民政府の知的財産権管理部門は、駐在員事務所及びその代表者に関する公共情報の発表を強化し、国民が駐在員事務所及びその代表者の基本状況を把握できるよう、検索サービスを提供する。

第十六条 駐在員事務所及びその駐在員は、次に掲げる法律・規則違反に該当する行為があった場合には、国家知的財産権局及び省、自治区、直轄市人民政府の知的財産管理部門は警告の通知、意見提示、是正勧告を行い、法律に基づいて取り締まりを行い、必要であれば関係部門に処理を移管することができる。

(一)外国の機関又は個人が認可を受けずに中国大陸部に駐在員事務所を設立し、又は違法な特許サービス活動に従事している場合。

(二)外国の機関又は個人がコンサルティング会社等の名義で、中国大陸部における特許出願及び特許権の無効宣告等の中国特許事務の代理業務を行っている場合。

(三)駐在員事務所が開業届を提出した中国特許代理士を雇用した場合。

(四)代表者として同時に2つ以上の駐在員事務所に所属・兼任している場合。

(五)その他の法律・規則違反活動に従事している場合。

第十七条 外国の特許事務所が、実際の状況の隠蔽、又は不正な手段によって中国駐在員事務所の設立許可を申請した場合、国家知的財産権局は法律に基づいてこれを受理せず、又は許可しない。すでに許可を受けた場合は、国家知的財産権局は法律に基づいて駐在員事務所の設立許可を取り消す。

駐在員事務所の設立許可を受けた後、状況の変化により本弁法に規定する要件を満たさなくなった場合は、国家知的財産権局は一定期間内に是正するよう命じる。

(情報提供:国家知的財産権局)




(本文章は中国語の原文に基づいています。日本語を含む他言語の翻訳はあくまで参考の為のものであり、言語間で内容に差異があった場合は中国語の原文が基準となります。)