北京市政府活動報告

2023年1月15日、北京市第16期人民代表大会第1回会議にて

北京市市長代理 殷勇

代表の皆さん

これより、北京市人民政府を代表して、過去5年間の政府活動について大会に報告し、今年の活動について提案し、代表者各位の審議と中国人民政治協商会議北京市委員会委員各位の意見を求める。

一、過去5年間の活動の回顧

中国共産党第18回全国代表大会以降、北京市はその発展史において画期的な新時代を迎えている。習近平総書記は北京市を10回視察し、北京市に対する重要演説を18回発表し、首都の長期的発展に関わる重大な問題、重要計画、重点事項について自ら指導し、「どのような首都を建設するか、どのように首都を建設するか」という重大な時代の課題に深く答え、新時代の首都事業の基本指針を提示した。

北京市政府は、過去5年間にわたって、習近平同志を核心とする中国共産党中央委員会の強力な指導の下、中国共産党北京市委員会の直接指導の下、市人民代表大会とその常務委員会の監督・支援の下、習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想を指導思想として堅持し、中国共産党第19回全国代表大会とこれまでの大会の精神を全面的に貫徹し、中国共産党第20回全国代表大会の精神を学習・宣伝・貫徹し、習近平総書記による北京市に対する一連の重要演説の精神を深く貫徹し、新発展理念を完全・正確・全面的に貫徹し、「四つの中心(全国の政治中心、文化中心、国際交流中心、科学技術イノベーション中心)」機能の構築強化に全力を挙げ、「四つの奉仕(中央における共産党・政府・軍の指導機関に奉仕する、国の国際交流に奉仕する、科学技術・教育の発展に奉仕する、人々の生活改善に奉仕する)」の水準を高め、「三つの重要事項(北京都市全体計画の実施を入念に組織すること、北京の非首都機能の移転で「京津冀」の共同発展を推進すること、2022年北京冬季オリンピック・パラリンピックに向けて万全に準備すること)」を遂行し、「三つの難関攻略戦(重大リスクの予防・解決、的確な貧困脱却、汚染予防・管理)」に勝利し、「五子(国際科学技術イノベーションセンターの建設、「両区」の建設促進、グローバルなデジタル経済のベンチマーク都市の建設、供給側の構造改革による新しい需要の創出、北京市・天津市・河北省の協同発展の促進)」連動・役割発揮と新たな発展パターンへの融合を堅持し、新時代の首都発展の推進に努め、率先して小康社会(いくらかゆとりのある社会)を全面的に実現させ、都市の総合的実力と国際的影響力の面で新たな段階に飛躍し、世界一流の調和のとれた住みよい都市を目指して確かな一歩を踏み出し、首都北京は新たな歴史的変化を遂げた。

この5年間で、下記の活動を成し遂げた。

一つ目に、首都としての戦略的位置づけを全面的に実施し、都市の発展パターンが歴史的変化を遂げた。首都の重大な計画事項について、党中央委員会に報告して指示を仰ぐ制度を厳格に実施し、計画・自然資源分野の問題の是正をしっかりと推進し、計画の厳粛性を断固として維持した。首都機能中心部規制計画、副都心規制計画、区画計画および重点機能区計画の策定と実施により、首都計画体系を全面的に深化・整備した。努力の末、都市総体計画実施の第1段階における削減発展の任務を完了し、市内6区の常住人口を2014年比で15%削減する目標を達成し、都市と農村の建設用地を120平方キロメートル削減し、132平方キロメートルの戦略的保留用地を厳格に管理し、より調和のとれた整然とした生産・生活・生態空間を創出した。政治中心の奉仕と保護を常に最優先し、中国共産党創立100周年と中華人民共和国成立70周年の祝賀行事が盛大かつ厳かに、そして華々しく開催された。全国の文化中心の建設が重要な一歩を踏み出し、国際交流中心としての機能を大幅に強化し、国際科学技術イノベーションセンターの建設において大きな成果を達成した。中軸線の世界遺産登録により旧市街全体の保護を推進し、重要な文化財の明け渡し・保護・利用において画期的な成果を達成した。

二つ目に、非首都機能の移転という鍵をしっかりと握ることにより、北京市・天津市・河北省の協同発展は大きな進展を遂げた。2回にわたる移転調整強化特別行動により、2億4000万平方メートルの違法建築物を撤去し、8つの区と北京経済技術開発区が率先して違法建築物をほぼなくす区を作るという目標を達成し、街並みは人々が待ち望んでいた好ましい変化を遂げた。副都心は好調な発展を見せ、153項目の市レベルの管理権限が適切に付与され、第1陣の市級機関が円滑に移転し、学校や病院などの質の高い公共サービス資源を数多く提供・活用し、交通や文化などの重大建設プロジェクトを加速させ、ユニバーサル・北京・リゾートが開園し、ビジネスサービス、文化観光、科学技術イノベーションなどの産業機能を持続的に強化し、北部3県(三河市、大廠回族自治県、香河県)との質の高い一体化発展が着実に進んだ。北京市・天津市・河北省の協調の深化・拡大を加速させ、雄安新区の建設を全力で支援し、「三校一院(北京市北海幼稚園、史家胡同小学校、北京市第四中学校、宣武病院)」のターンキープロジェクトがほぼ完了し、京雄都市間鉄道が全線開通し、北京大興国際空港が竣工し、京張高速鉄道、京瀋高速鉄道、京唐都市間鉄道が開通・運営を開始し、大運河の北京市・河北省区間の観光航路が開通し、京津風砂源制御第2期事業が成功裏に完了し、交通、生態、産業などの重要分野がいち早くブレークスルーを達成し、現代的な首都都市圏の建設が加速された。

三つ目に、イノベーション駆動型発展戦略の実施を深化させ、首都の質の高い経済発展が新たな段階に飛躍した。中関村、昌平、懐柔の3つの国家実験室を高い水準で建設し、懐柔総合性国家科学センターをおおむね完成させ、新型研究開発機関を数多く育成し、外部依存度の高い一連の主要技術のブレークスルーを達成し、世界をリードする独自の科学技術成果を数多く創出した。中関村の24カ条の先行的・試行的な改革政策を策定・実施し、科学技術成果の商業化に関する条例の発表を推進し、社会全体の研究開発投入強度は約6%を維持し、特許取得件数は毎年約13%増加し、中関村モデル区企業の総収入は年平均10%以上増加しており、世界知的所有権機関が発表した世界の科学技術クラスタートップ100のうち、北京市はトップ3にランクインしている。高精尖(ハイレベル・精密・先端的な技術)を重視し、次世代情報技術と科学技術サービス業という2つの1兆元レベルの産業クラスターを育成・形成し、医薬・ヘルスケア、スマート設備、人工知能、省エネ・環境保全、集積回路という5つの1000億レベルの産業クラスターを育成・形成した。金融などの現代サービス業の発展も目覚ましく、国家級ハイテク企業、専精特新(専門化・精密化・特徴性・新規性を追求する)小巨人企業(高い成長性または大きい発展のポテンシャルを持つテクノロジーイノベーション中小企業)、ユニコーン企業の数は中国全都市中1位を誇る。デジタル経済発展の優位性を強化・拡大し、ビッグデータとスマートシティ発展の基本的かつ主要な枠組み体系を形成し、「京通」「京弁」「京智」の3つのスマートターミナルを推進・応用し、国際ビッグデータ取引所を設立・運営し、デジタル経済の付加価値が域内総生産の約42%を占めた。国際消費センター都市の建設を着実に推進し、22の従来型商業圏の品質向上と進化を完了させ、ライブコマースやデジタル文化などの新たな消費モデルの急成長を達成した。この5年間で、全市の経済総生産は相次いで3兆元、4兆元という2つの大台を突破し、一人当たりの域内総生産は18万元を超え、全国の省・区・市の中で1位を誇り、先進経済体の中程度のレベルに達した。

四つ目に、「両区(国家サービス業開放拡大総合モデル区、中国(北京)自由貿易試験区)」の建設に注力し、改革開放を推進し、首都発展の原動力と活力をさらに強化した。「一帯一路」建設に積極的に奉仕・参入し、ハイレベルな制度的開放を積極的に推進し、合計200項目近くの前例のない画期的なオープンイノベーション措置を形成し、55項目の優秀実践事例と経験を全国で複製・推進した。北京証券取引所が開設承認を受け、順調に開所した。インターネット裁判所と金融裁判所を設立し、中国国際サービス貿易交易会、中関村フォーラム、金融街フォーラムを国の開放発展の重要なプラットフォームに格上げした。ビジネス環境が「追走」から「先導」への転換を実現し、5つのバージョンで1000項目以上の改革措置を発表し、累計で事項削減率60%以上、所要時間削減率71%、資料削減率74%となり、248件の証明書を削減した。「証照分離(工商部門からの営業許可証の取得と行政部門からの関連経営承認の取得という承認手続を分離させ、不要な審査や認可手続を削減する)」改革の完全適用を実現し、企業設立や不動産登記など多くの分野における「1日での完結」を他の地域に先駆けて可能とし、「訪問ゼロ、承認ゼロ、手数料ゼロ」の市政アクセスサービスを提供し、「ダブルランダム(検査要員と検査対象の無作為選出・抽出)」方式による検査のカバー率は90%を超え、市・区レベルでは98%以上の事項のオンライン処理を実現し、「サービスパッケージ」と「専任サービス担当者」という革新的な制度を制定した。国家による税金と手数料の削減政策を最大限に実施し、5年間で免税・減税・税還付・納税猶予累計額が新たに5300億元増加し、2022年は2000億元を超えた。財政・税制、物価、投資・融資体制などの重要分野・段階における改革の新たなブレークスルーを達成し、地域全体の隠れ債務なしの試行任務を予定より早く完了し、総コスト予算業績管理改革により合計269億元の業績に関わる支出の節約を達成した。国有企業のイノベーション能力が著しく向上し、品質・収益ともに過去最高を記録した。この5年間で、実質外資利用総額は累計で750億米ドルを超え、「双自主(自主ブランドと自主知的財産)」企業の輸出額は年平均10%以上の成長率を示した。新型コロナウイルス感染症の流行や制裁の影響を受けつつも、首都の開放型経済は成長を続けた。

五つ目に、農業と農村の発展に優先的に取り組み、都市と農村の一層の協調的発展が図られた。低所得農家がすべて低所得層から脱出し、低所得村を一掃し、農村住民1人当たりの可処分所得の年平均増加率が都市住民より1ポイント以上上回った。食糧の安全性確保と「菜籃子(副食)」責任制を厳格に実施し、166万ムーの耕地面積の確保という任務を予定より多く完遂し、食糧と野菜の生産は比較的急速な成長を遂げた。「種子産業の都市」の構築に努め、農業中関村の建設を加速させた。農村集団財産権制度改革と農村請負地の権利登記・認証がほぼ完了し、集団経営性建設用地の試験的市場参入が重要な進展を遂げた。美しい農村の建設を着実に推進し、合計1500以上の村で汚水の収集・処理が可能となり、農村に衛生的な家庭用トイレがほぼ普及した。都市南部の発展を加速させ、新首鋼地区は新時代の首都の都市復興を象徴する新たなランドマークとなり、都市農村共同体の削減発展の摸索により「王四営モデル」を形成し、生態保全区における生態保護とグリーン成長の実現に向けた取組みを強化した。東西部の協力とペアリング支援が国の実施した評価でトップとなり、73の旗・県および200万6000人の貧困脱却に貢献した。

六つ目に、「大都市病」の管理を継続的に推進し、首都の調和と住みやすさの水準を大幅に改善した。二酸化炭素排出量の削減を着実に推進し、域内総生産1万元に対するエネルギー消費量と二酸化炭素排出量が中国の省級地区で最も良いレベルを維持している。青い空を守る戦いに全力を尽くし、微小粒子状物質の年平均濃度が1立方メートルあたり30マイクログラムと2017年比で48.3%低下し、国連環境計画(UNEP)から「北京の奇跡」と称された。市の汚水処理率が92.4%から97%に上昇し、国および市レベルの審査で劣5類の断面を一掃し、5大河川がすべて海につながり、密雲貯水池の貯水量が過去最高を記録し、平野地域の地下水位が7年連続で累計10.1メートル上昇し、用水効率が全国でトップレベルを維持している。新たな百万ムーの造林緑化工事を予定より多く完遂し、温楡河公園1期工事などの大規模な緑化空間を構築した。国家植物園が正式に開園し、全市の森林被覆率が44.8%に達し、緑が首都の質の高い発展に彩りを添える下地となった。総合交通構造の構築に注力し、新たに計16本の地下鉄路線を開通し、運行距離を約200キロ拡大し、総走行距離が797キロに達し、懐密線など郊外鉄道の運行距離を183キロ拡大し、清河駅、北京朝陽駅、北京豊台駅が相次いで竣工して運営を開始し、林萃路などの都市高速道路や主要幹線道路を多数建設し、市内の支線道路以上の道路における駐車料金の完全電子化収受がほぼ普及し、低速走行システムを3200キロ以上に最適化・改善し、インターネットレンタサイクルを規制し、自転車の利用を首都市民の新しいライフスタイルとして定着させた。問題提起後の即時対応、請願受理後の即時対応という革新的な方式を実施し、積極的な管理と苦情受理前の問題解決を深化させた。市民サービスホットライン12345が受け付けた市民からの問い合わせ件数が1億件以上となり、解決率は94%、満足度は95%に上昇し、不動産権利証の処理に関する残存する問題を34万2000件解決した。2つの「重要な小事(不動産管理とゴミ分別)」に取り組み、1万6000カ所の住宅地区(村)をカバーするゴミ分別体系を構築し、不動産管理サービスカバー率が97%に達した。街道・郷鎮管理体制改革を完了し、回天地区で大規模な社区(コミュニティー)の管理モデルの形成を模索し、基層ガバナンス能力をさらに向上させた。

七つ目に、人民を中心とする発展思想を真摯に実践し、人民の生活水準を全面的に向上させた。この5年間で、合計157項目の民生実務に対応した。雇用の安定と拡大に注力し、都市部の新規雇用者数が147万5000人増加し、都市部の調査失業率が低く抑えられ、全市住民の一人当たりの可処分所得が約7万7000元に達した。都市と農村の統一を先駆けて達成し、市民全体をカバーする社会保障体系を先駆けて構築し、各項目の保護水準が着実に向上した。就学前教育行動計画の継続的な実施により、政府の指導価格が適用される普恵性幼稚園のカバー率が88%に達した。義務教育段階の「双減(生徒の宿題や校外学習の負担削減)」を揺るぎなく段階的に推進し、グループによる学校運営や学区改革を踏み込んで推進し、小中学校の生徒定員を合計18万人増やした。34大学、162学科の「双一流(世界一流大学・一流学科)」建設を支援した。文化恵民プロジェクトを着実に推進し、紅色文化テーマ区の建設を深化させた。リアル書店の数が全国1位を誇り、優れた芸術作品や文学作品が一挙に出現した。都市・農村の医療・衛生体系を整備し、医薬分離と医療消費連携の統合改革を実施した。市民が利用できるフィットネス施設や設備の建設を強化し、大衆スポーツの活性化を図った。合計1424カ所のコミュニティー高齢者サービスステーションを建設・運営し、1168カ所の高齢者食事支援施設を拡充した。障害者福祉保護制度を整備し、バリアフリー環境建設において新たな成果を達成した。女性・児童事業の成長レベルが国内トップレベルとなった。不動産市場の健全な発展を促進し、54万戸の各種政策性住宅を建設・調達し、5100戸以上の中心部平屋住宅の申し込み制による明渡し契約締結を完了し、5900戸以上の住宅を修繕し、981カ所の古い住宅地区のリニューアルと改修を行い、約50万戸がその対象となった。レジリエントな都市づくりを率先して推進し、都市安全リスクの管理を統括し、2017年比で生産安全死亡事故の件数が33%、死亡者数が36.5%減少した。オンライン融資や取引所などの分野における金融リスクを段階的に解決し、体系的なリスクが発生しない限度基準をしっかりと守った。平安北京の建設を深化させ、掃黒除悪(反社会勢力撲滅)特別活動で大きな勝利を収め、多くの未解決の投書苦情案件や顕著な問題を解決した。国防と軍隊建設を力強く支援し、軍政・軍民の団結を引き続き強固にし、退役軍人活動が国内トップレベルとなった。民族、宗教、華僑活動が新たな段階に飛躍した。

八つ目に、政府が全面的な厳しい党内統治を断固として実行し、政府自体の建設において好ましい成果を達成した。「両学一做(中国共産党の規約・規則を学び、習近平総書記の一連の重要演説の精神を学習し、『合格党員』になること)」の学習・教育、「初心を忘れず、使命を胸に刻む」をテーマとする教育、党史学習・教育を着実に展開した。中央による第6次巡視、2回にわたる中央生態環境保護査察などでフィードバックされた問題を総合的に是正した。市人民代表大会の法的監督と市政治協商会議の民主的監督を法律に基づいて受け入れた。過去5年間で、市人民代表大会常務委員会に提出し審議された地方性法規の草案項目数は合計59項目となり、政府規則を92項目制定・改正・廃止し、市人民代表大会代表の19項目の議案と4395件の提案を処理し、市政治協商会議の提案を5623件処理した。政府参事、文史研究館の館員の諮問・助言の役割を効果的に果たした。総合的な法執行体制改革を深化させ、法治政府のモデル作成を着実に推進した。市・区機関改革を達成し、公的機関改革を着実に推進した。「緊縮財政」の要求を実行し、経常的支出を76億6000万元削減し、「三公(政府部門職員の公務上の海外出張、公用車の購入・運転、公務上の接待)」経費を42.9%削減した。引き続き「四風(形式主義、官僚主義、享受主義、浪費の気風)」を是正し、新たな気風を樹立し、市政府名義で発行される公文書を50.7%、会議開催数を36.5%削減し、市・区レベルで基層に発行が要求されていた証明書をすべて廃止した。会計監査・監督の全面実施を推進し、重点分野における政治の清廉性に対するリスク管理を強化し、清廉で誠実な政治生態を強固にした。

代表の皆さん。この3年間、長引く新型コロナウイルス感染症の感染拡大に直面する中で、北京市政府は、党中央委員会の政策と指示を忠実に実行し、人民至上、生命至上を堅持し、幾度にわたる感染拡大に力強く対応し、人々の生命と健康を最大限に保護してきた。新型コロナウイルスの変異に対応し、北京市政府は状況に応じてコロナ対策を最適化・調整し、コロナ対策と経済・社会の発展をより良く統括し、首都はコロナ対策の新たな段階に突入した。コロナと闘う過程で、各戦線の幹部と職員は難しい任務に取り組み、献身的な姿勢で効率的で厳格なコロナ対策体系を構築した。医療従事者はそれぞれの持ち場で懸命に働き、人命救助と健康保護に全力を尽くした。基層のコミュニティーワーカーやボランティアは困難を乗り越え、昼夜を問わず、感染対策の最前線で活躍した。科学研究者が共同研究と革新的なブレークスルーを通じて独自に開発した2つのワクチンは、「北京の力」として世界のコロナ対策に貢献した。コロナ流行期間中、宅配便・デリバリー、市政物流などの従業員は都市の平穏と秩序を保障するため、苦労を惜しまず、懸命に働いた。特に首都圏の市民は大局を理解し、献身的に取り組み、責任感を持ち、協力し合い、助け合うことにより、人民全員の力によってコロナとの闘いに勝利した。

代表の皆さん。党中央委員会の強力な指導の下、全国の各民族の人民と国内外の国を愛する同胞の力強い支持の下、北京市は張家口市と連携し、グリーン、共有、開放、廉潔というオリンピック開催理念を全面的に実行し、7年間の努力を経て、様々なリスクと課題を克服し、簡素かつ安全で精彩を放つ冬季オリンピックを見事成功裏に開催した。美しく鮮やかな開会式と閉会式、世界トップクラスの会場施設、見事な大会運営も奏功し、世界から賞賛を受けた。大局に配慮し、開放的かつ自信を持って、困難に立ち向かい、卓越性を追求し、共に未来を創造するという北京冬季オリンピックの精神を形成した。北京市は世界初で唯一の「ダブルオリンピックシティ」となり、大国首都ならではの魅力がより一層際立った。

代表の皆さん。2022年、北京市政府はコロナ対策と経済・社会の発展を統括し、発展と安全を統括し、予想を超える要因の影響に対処し、発展の質を着実に高め、社会の大局の調和と安定を維持し、中国共産党第20回全国代表大会の支援・保障任務を成功裏に達成した。全市の域内総生産はプラス成長を達成する見込みである。税還付分を差し引いた一般公共予算収入は2.6%増、消費者物価は1.8%増、都市部調査失業率は5%以内に収まる見込みで、全市の住民一人当たりの可処分所得は安定的に増加した。

この5年間を振り返ると、首都北京のあらゆる進歩、あらゆる変化は習近平総書記の温かい配慮と熱心な教えの賜物であると深く感じている。この5年間、北京市政府は総書記の負託を心に刻み、歴史的使命を担い、この偉大な都市・北京市の変革を徹底的に推進し、首都の社会主義現代化を全面的に建設するという新たな旅路を歩き始めた。この5年間の成果を達成するのは生易しいことではなかった。これは習近平同志を核心とする党中央委員会の強力な指導の結果であり、習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想の合理的指導の結果であり、そして、中共北京市委員会が全市民を率いて困難を克服するために奮闘し懸命に努力した結果である!この場を借りて、私は北京市人民政府を代表し、市民のみなさん、そして人民代表大会代表、政治協商会議委員のみなさん、民主党派、各人民団体ならびに社会各界のみなさん、中央・国家機関の各部門・各機関、各姉妹省・区・市、北京駐在の人民解放軍・武装警察部隊の将兵、首都建設に関心を持ち支援される香港特別行政区の同胞、マカオ特別行政区の同胞、台湾の同胞、海外の同胞、国際友人に対し、心から感謝の意を表する。

同時に、我々は首都の発展には多くの困難と課題があり、政府活動にも多くの問題や欠点があることを冷静に認識している。具体的には、党と人民の要求に比べて、「四つの中心」の機能構築と「四つの奉仕」の水準にはまだ隔たりがある。経済回復の基盤がまだしっかりしておらず、企業、特に中小・零細企業の生産と運営において多くの困難がある。ハイレベルの科学技術の自己開発と「高精尖(ハイレベル・精密・先端的)」産業発展の結びつきをさらに強化し、重点分野の「外部依存度の高い主要技術」の課題をさらに解決する必要がある。公衆衛生、医療、環境、交通、教育、高齢者介護などの分野で多くの不足があり、都市部と農村部の不均衡や開発不足の問題が依然として顕著である。政府システムの幹部の素質と仕事ぶりが新しい情勢や新しい課題にまだ十分に適応しておらず、政府サービスのパフォーマンス、基層ガバナンス水準、異常事態における都市の緊急対応・保障能力をさらに向上させる必要がある。北京市政府はこれらの問題を重要視し、その解決のために今後より一層努力していく所存である。

(情報提供:北京日報)


2023年北京市政府活動報告の英語版(第一部分)は以下のURLからご覧いただけます。

https://english.beijing.gov.cn/government/reports/202301/t20230129_2908152.html


(本文章は中国語の原文に基づいています。日本語を含む他言語の翻訳はあくまで参考の為のものであり、言語間で内容に差異があった場合は中国語の原文が基準となります。)