豊台の総面積は306平方キロメートルで、常住人口は202.5万人である。北京市街地の南に位置し、首都の南大門と南部の後背地と称されている。2019年、豊台区の地域総生産は1829.6億元で、6.3%増加した。第三次産業の割合は85%に達した。

北京都市全体計画を着実に実施するため、豊台区は方向性を明確にし、すなわち、新時代首都機能拡大のための重要な市街地エリア、首都の高品質な生活と住みやすい示範城区、新しい開発理念を示したグリーンエコガーデン城区、国際競争力のあるスマート製造イノベーションエリア、国際的影響力のある金融開発新区、国際トップレベルに達している首都ビジネス新区を建設し、総合的な競争力のある示範城区になることである。

豊台は、首都機能構造を改善させる戦略的な要地である。首都の「一核一主一副、二軸多点一区」の都市配置において、豊台は「一主」、すなわち中心市街地であり、また「一軸」、すなわち南中軸に含まれている。さらに「一核（首都機能コアエリア）」、「両翼（北京市の副都心、雄安新区の重要な後背地）」をつなげる地でもある。豊台は四方八方に通じ、北京において他の5つの中心市街地に隣接している唯一の区であり、さらに2つの新城と生態涵養エリアにもつながっている。区内には、北京西駅と北京南駅の2つの総合鉄道駅があり、高速鉄道の主なハブとなっている。もう一つの大型総合鉄道駅である「豊台駅」の建設は既に始まっている。大興国際空港は、豊台南苑から30キロメートル離れており、三環路近くにある草橋ターミナルは既に運営を開始した。三環路の内側にある麗澤シティターミナルは設計・企画段階にあり、将来は通関・安全検査、受託手荷物、免税品の購入などのサービスを提供できるようになり、高速列車でわずか20分で麗澤から大興国際空港まで到着できる。

豊台の産業及び革新的資源の特色が際立っている。中関村豊台サイエンスパークの豊台パークでは、鉄道交通と航空宇宙の2つの千億レベルの産業クラスターが形成され、鉄道交通産業チェーン全体がカバーされており、研究院（所）と産業チェーンの上流・下流企業が集積し、4つの百億レベルの産業クラスターが育成された。麗沢金融商務区は、新興金融産業クラスターであり、首都の金融改革の試験区である。インターネット金融、フィンテック、金融情報、金融仲介、金融文化などの新興業態に重点が置かれている。

豊台には、大量の空間資源がある。産業空間は、主に中関村サイエンスパークの豊台パーク、麗沢金融商務区、首都商務新区などの主要な機能エリアとその周辺、及び南中軸など首都都市機能配置の中で重要とされる地帯に集中している。

中関村サイエンスパークの豊台パークは建設完了の面積が500万平方メートル余りで、建設中のエリアの面積が約500万平方メートルである。麗沢金融商務区は、北京市三環路の内側、二環路の周辺にある最後の一定規模に達している産業機能エリアである。延床面積が数百万平方メートルである建築はまもなく利用が開始され、ランドマークの麗澤SOHOは既に運営を開始した。首都商務新区は、南中軸の両側、南三環路と南四環路の間に位置し、敷地面積約7.6平方キロメートルで、新時代における首都機能開発のために空間を確保している。

豊台の生態環境は美しい。都市の緑化率は47%、水域面積は8平方キロメートルである。現在、民衆の住宅の周辺に緑地を作ることに力を入れており、500メートル以内に公園、2キロメートル以内に都市公園、5キロメートル以内に森林公園があるように努力している。南中軸の両側で、1.6万ムーの皇室庭園風を再現することを中心とする南苑森林湿地公園を建設する予定である。その面積はオリンピック森林公園の3倍であり、生態復元、レジャー・フィットネス、科学教育、文化クリエイティブ、ハイエンドビジネスを一体化した大規模な緑地空間となる。これは「森が都市に入る」手本であり、首都都市空間配置の主な枠くみである。

豊台は公共サービス配置を加速させている。教育を優先的に発展するという戦略を堅持し、北京市第十二中学校など16の教育グループと8つの教育クラスターを次々に設立し、北京市第四中学校、中国人民大学附属中学、北京師範大学附属実験中学校、十一学校、北京大学附属小学校など、質の高い教育資源を多く導入した。児童教育の特色が際立ち、資源が集積している優位性を十分に生かし、全区において航空宇宙飛行科学技術強国と伝統演劇文化伝承教育を展開している。

医療資源のレイアウトが完備しつつあり、北京天壇病院、口腔病院が豊台に移転し、豊台病院の質の向上と改築工事が実施されている。区内には中国最高クラスの豊台中西医結合病院、東方病院、博愛病院など、特色のある医療資源もある。コミュニティ医療衛生サービスのブランドが突出し、方庄地区の「智慧家医（スマートホームドクター）」は全国へと普及されている。

豊台は、優れたビジネス環境の構築に力を入れている。「9+N」政策の実施を加速させている。区内に入居した企業により優れたサービスを提供するため、企業の需要に応じて、20項目のビジネス環境の最適化に関する政策や、12項目の「高精尖（ハイレベル・精密・先端的）」産業の発展と科学技術革新支援に関する政策など、一連の企業優遇政策を策定し、入居した企業と人材に数多くのサービスを提供している。