中関村サイエンスパーク密雲パークは北京密雲経済開発区、北京密雲エコビジネス区、懐柔科学城東区から構成される。
機能的位置づけ:全区の経済構築の主要拠点、新たな質の生産力の集積地域、成果実用化の受け皿。
中関村サイエンスパーク密雲パークは、今後数年間にわたる「1+N」産業発展計画を策定し、「生命健康、スマート製造、低空経済、生態環境保護」の4つのリーディング産業の発展に注力し、経済規模と発展の質の全面的な拡大・向上を促進し、自主革新と科学技術の波及力を大幅に強化し、際立った特色を持ち、合理的に空間配置したハイテク産業拠点を建設する計画である。
一.密雲パークの概要
中関村サイエンスパーク密雲パークの総計画面積は19.44平方キロメートルに達する。現在、約14.25平方キロメートルが開発・運用済みである。
中関村サイエンスパーク密雲パーク管理委員会は密雲区政府の出先機関で、パーク全体の開発、建設、管理を担当している。プラットフォーム企業は北京中関村密雲園発展集団有限公司である。
(中関村サイエンスパーク密雲パークの全景)
(密雲エコビジネス区の一角)
二.立地優位性
中関村サイエンスパーク密雲パークは首都北京市の30分経済圏に位置し、北京中心部から50キロメートル、首都国際空港から35キロメートルの距離にある。パーク内には京瀋(北京市-遼寧省瀋陽市)高速鉄道の密雲駅があり、密雲駅から北京朝陽駅までわずか26分である。また、パーク内には京承(北京市-河北省承徳市)高速道路の15-1、16の出入り口があり、北京市内の京承高速道路料金所までわずか30分である。このほか、通懐路や建設中の京密高速道路も設けられており、密雲区から北京中心部、副都心までより便利に速く移動できる。
三.産業発展
生命健康(リーディング産業)、低空経済(特色産業)、スマート製造(基幹産業)、生態環境保護に関する科学技術産業などの「高精尖」(ハイレベル・精密・先端)産業を備えた「1+N」の産業パターンを確立している。
生命健康(リーディング産業):計画敷地面積約1160ムー(77万平方メートル)の北京大学懐密医学センターが着工した。完成後は、北京大学医学部の全キャンパスが移転され、研究病院が建設される予定である。
(北京大学懐密医学センターの完成予想図)
パーク内には生物医学・医療機器業界の企業が56社入居しており、外科用止血剤、抗腫瘍剤、徐放性製剤、徐放制御剤、医療用造影剤、漢方薬、医療機器など幅広い分野をカバーしている。そのうち、G20プロジェクト企業が3社、国家一類新薬の承認品目数が2品目となっており、市レベルの研究開発実験室が6カ所ある。また、メインボード上場企業が1社、創業板(ChiNext)上場企業が1社入居しており、生命健康企業の集積・発展において有利な条件が整っている。
パーク内の密雲生命健康スマート製造パークは総面積が約1065ムー(71万平方メートル)に達する。特色パークは生命健康製造業の発展を中核機能とし、生命健康スマート製造インキュベーターと救急医療共通技術サービスプラットフォームを備え、生物医学、医療機器、健康用品の3大産業クラスターを構築している。「北京への先進製造業の導入」という使命を堅持し、「北京北部の生命健康イノベーションの主要拠点」、「北京の生命健康科学技術成果の実用化の集積地域」、「生命健康製造業の北京回帰を支援する主要拠点」を目指しており、密雲区全域の全ライフサイクルのヘルスケア・ウェルネスサービス産業を強力にサポートする。
低空経済(特色産業):パーク内には、空域面積、常駐機数、運用能力のいずれにおいても北京最大かつ最高の民間一般航空空港である密雲華彬天星空港がある。同空港は中国北部で初めてA1クラスの一般空港使用許可証を取得した空港の一つで、最もインフラが完備されている。使用可能な空域面積は1100平方キロメートルに達する。空港内の1期エリアには800メートル×30メートルの滑走路があり、2期エリアには1200メートルの滑走路がある。密雲区と内モンゴル自治区赤峰市、山東省日照市を結ぶ9つの航空路線を運航しており、年間飛行日数は200日以上に達する。ヘリクルーズやドローン物流などの新たな応用シーンを生み出すことができる。
北航サイエンスパークには現在5社が入居しており、北京航空航天大学と共同で設立した実験室が8カ所あり、ドローン製造、飛行試験、航空機用ジャイロスコープ、空中核放射線監視装置などの分野をカバーし、同パークへの航空宇宙、スマート製造、電子情報、先端材料などの産業集積を促進する。
(密雲華彬天星空港の一角)
スマート製造(基幹産業):中関村サイエンスパーク密雲パークの計測制御設備産業クラスターは「2024年北京市中小企業特色産業クラスター、国家レベル中小企業特色産業クラスター」に選ばれている。
同パークは現在、北汽新能源や漢拿万都をはじめとする新エネルギー車・部品産業、同方威視や卡迪諾をはじめとする安全検査産業、超同歩、北京機床研究所、海普瑞森をはじめとする精密工作機械産業、合縦実科と搏世因をはじめとするスマート電力産業など、複数の産業分野を形成しており、新エネルギー車、ハイエンドコンピューター数値制御(CNC)工作機械、スマートセンサー・制御設備、電力設備などの研究開発生産に取り組んでいる。入居企業は60社に達し、年間生産額は100億元近くに達する。北汽新能源の純電気乗用車「享界S9(Stelato 9)」は密雲パークで生産されている。
(超同歩股份有限公司の作業場)
(北汽新能源の「享界S9(Stelato 9)」組立ライン)
生態環境保護に関する科学技術産業:科学城東区の地球システム数値シミュレーション装置、中国科学院科学教育拠点施設の一連のプロジェクト、清華大学の空陸一体化環境センシング・スマート対応研究プラットフォームプロジェクトなどの先端科学研究装置といった優位性を生かして入居企業は中国科学院工業廃水無害化・資源化国家工学研究センター、国家環境検査中央ステーションなどの研究機関から各種戦略的新興産業の国家レベルの研究課題、科学研究及び成果実用化プロジェクトを優先的に引き受けることができ、生態環境保護の応用シーンを構築することで、密雲パークの生態環境保護産業の急速な発展を推進し、生態環境保護産業の科学技術イノベーションのモデルパークを建設することを目指す。
(中国科学院生態環境研究センター)
四.企業優遇政策
(一)支援策
中関村サイエンスパーク密雲パークに入居・登録した企業は、国家、北京市及び中関村の包括的な支援策を享受することができる。さらに一定の条件を満たす企業は密雲区の関連支援策を享受することができる。
新たに誘致された実体企業、初めて「専精特新小巨人(専業化・精細化・独創性・斬新性を追求する中小企業の中でも特に優れた企業)」に認定された実体企業、リースを通じてパーク内の未使用の工場や付属施設を活用する実体企業、市レベル以上の研究開発機関に認定された実体企業、初めて国家レベルのハイテク企業に認定された実体企業に対して、政策支援を提供する。
(二)人材支援策
密雲区の産業発展の位置づけに該当するハイテク企業や、年間総合評価において優秀な成績を収めた企業に対して、北京市の就労居住許可証の申請、新卒者の北京市戸籍申請枠の割り当て、子供の入学・入園、人材用公共賃貸住宅などの面で優先的に支援を提供する。
パーク内には1415戸の公共賃貸住宅があり、主に入居企業の従業員に提供している。
五.空間優位性
1.公開入札・競売・期限付き競売が可能な土地面積は1119.07ムー(74万平方メートル)に達する。そのうち、建設用地は549.52ムー(36万平方メートル)に達する(工業用地:350.75ムー(23万平方メートル)、物流建設用地:65.78ムー(4万平方メートル)、多目的建設用地:133ムー(9万平方メートル))。
2.直接利用可能な産業工場が14カ所ある。標準工場とオフィスビルの総面積は22.9万平方メートルに達する。
3.直接利用可能なオフィスビルの総面積は2万平方メートルに達する。
4.購入または賃貸が可能なオフィスビル(華潤、緑地が所有)の総面積は17万平方メートルに達する。
5.土地払下げ価格及び工場賃貸価格:工業用地払下げ価格は約60万元/ムー(1ムーは666.66平方メートル・通電工事費を除く)、通電工事費基準は390元/平方メートル、約26万元/ムー。工場賃貸価格は1日当たり1元/平方メートル。
6.最先端技術企業に対して、オフィススペースを3年間無料で提供する。
(情報提供:中関村サイエンスパーク密雲パーク管理委員会)