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2010年7月にて、北京市行政区画調整要求に従い、元西城区と元宣武区が合併して西城区になった。新しく設立された西城区は首都の2つの機能コアエリアの1つであり、面積が50.7平方キロメートルで、15の街道、259のコミュニティを管轄している。2019年末まで、常住人口は113.7万人である。

西城区は首都機能コアエリアとして、全国の政治中心・文化中心・国際交流中心の主なエリアで、歴史文化名城として重点的に保護される地域で、国家の首都イメージを示す重要な窓口である。

政務の関連資源が集結。西城区は共産党中央委員会、全国人民代表大会、国務院、中国人民政治協商会議全国委員会などの共産党と国家の首脳機関の勤務地で、レベルの最も高い対外交流活動が行われている主要な場所である。管轄地区内には120の副部レベル以上の中央部門・事業機関がある。

金融業における優位性が際立つ。最新の北京都市全体計画によって、北京金融街(金融通り)が国家金融管理の中心であると位置づけられている。「一行二会」(1つの銀行と2つの協会)、大型金融企業の本部、重要な金融関連インフラ施設及びアジアインフラ投資銀行、シルクロード基金、アジア金融協力協会などが全て金融街に置かれている。

区域内の歴史的文化資源が豊富である。古都北京の発祥地として、西城区は豊かな伝統文化を受け継ぎ、皇城文化、仕子(科挙試験の受験生)文化、民俗文化、宗教文化などさまざまな文化が深く融合した区域といえる。管轄地区内には什刹海、大柵欄など18の歴史文化保護区、184の各級の文物保護機関、134の無形文化財保護プロジェクトを持っている。区内に国家大劇院、天橋芸術センター、中央バレエ団など国内トップクラスの現代文化施設と芸術院団が集まり、首都文化の特色を示す重要な区域になっている。

公共サービス資源が豊かである。西城区では教育、医療衛生、体育を含む各種の社会資源が数多く備わり、公共サービスのレベルが全市で上位を誇っている。同区の教育の質も全市で一二を争うほどで、特に2014年以来、同区は先駆けて教育総合改革を展開し、区域内の教育の高水準・良質・均衡の発展を促進してきた。

西城区は市委員会と市政府の要求に沿って、減量化・集約化の発展様式をめぐり、緩和・整備・都市品質向上促進特別行動をさらに推し進めている。高質な発展を中心に、金融を主導産業とし、文化と科学技術産業、ビッグデータ産業を重点産業とし、ハイクォリティな生活サービス産業、健康医療、ハイエンドシンクタンクを育成産業とする「一主導二重点三育成」の産業配置を明らかにしている。同区は金融街のサービス体制の改革を深め、絶えず区内の経営環境を最適化し、「金科十条」「金服十条」(金融技術、金融関連専門サービスに関する十条)などの条例を制定し、「金科新区」の建設を推し進め、国家金融管理中心の発展に貢献する。

都市の細分化管理という課題をめぐって、「街道と郷・鎮が笛を吹けば、政府部門がやって来る」というやり方の実行を促し、街道(町)実体化総合法執行プラットフォームを設立し、街巷長(街道やコミュニティの指導者が所轄地区環境整備の責任を担う制度)、河長制(各級党組織・政府の指導者が管轄地区内の河川・湖沼などの水環境保全の責任を担う制度)などの長期的に有効な仕組みを最適化する。青空と緑水を守る戦い、顕著な問題の解決を全面的に取り込んでいる。「留白増緑」を実施し、藺圃園都市森林と東福寿里などのポケットパークの建設を完成させて民衆に開放し、都市の生態環境の改善に力を尽くしている。

民生の保障と改善という課題をめぐって「どの学校も素晴らしく、だれもが成功できる(校校精彩、人人成功)」の理念を堅持し、基礎教育面での優位性を固め、絶えず教育の高品質かつ均衡的な発展を推し進めている。基層における公共衛生一体化管理体制の構築を加速させ、区域医療連合体という協力型の新モデルを模索している。全国の在宅とコミュニティ内養老サービスの改革試行事業を深め伸ばし、「予防、医療、リハビリテーション、介護、ターミナルケア」という五位一体の健康養老サービスモデルを模索し、老人ホームと介護施設の建設事業を展開している。バラック密集地の改造を引き続き推進し、古いコミュニティの総合的な整備を着実に実行し、民衆の居住状況を絶えず改善していく。

公共文化サービスを補完する課題をめぐって、民衆の需要をしっかり把握し、引き続き文明城区の建設を推し進める。公共文化サービスの社会化運営改革を深め、文化恵民プロジェクトを実施し、市民向けの文化シリーズイベントを開催し、民衆の文化生活を豊かにする。「書香西城(本の香りが漂う西城)」の構築を促進し、多種多様な特色のある読書スペースを作る。旧市街の保護と復興に注力し、「四名」(名城、名業、名人、名景)というアイデアを集める計画を着実に実施し、保護メカニズムを完備させる。文化産業の発展政策を練り、文化クリエイティブ園区と文化クリエイティブ産業の成長に支持を与えていく。

ターゲットを絞った精確な貧困扶助という課題をめぐって、協働チームという仕組みを作り出し、扶助対象地区に赴き調査研究と現地訪問を行い、張北県、阜平県、カラチン旗、オロチョン自治旗、囊謙県という5つのペアリング支援対象の貧困県を対象とする貧困脱却計画(カラチン旗が2018年に既に貧困を脱却した)を明確にし、7つの重点扶助分野を確立した。金融面での貧困扶助を実施し、融資需要と金融資源の有効なマッキングを推し進める。積極的に「万の企業が万の村を扶助する」計画を積極的に実施し、ペアリング支援の全カバーを実現する。

首都機能コアエリアとして、西城区の経済の主な特徴は、本部経済(ヘッドクオーターズ・エコノミー)を基礎に、金融業を主導産業とし、ハイテクと文化クリエイティブ産業を支えとする現代サービス業である。

2019年、同区の地域総生産が5000億元を突破し、前年比6.1%増で、区レベルの一般公共予算収入が431.1億元で、前年比0.1%増で、居民1人あたりの可処分所得が8.8万元を達成し、前年比約8.1%増である。都市部登録失業率が0.88%に抑えられた。全区域内の微小粒子状物質(PM2.5)の年間平均濃度が44μg/m3まで下げされ、前年比17%減少した。