北京CBD管理委員会は、「中国（北京）自由貿易試験区国際ビジネスサービスエリア・北京CBDの高品質な発展の促進に向けた資金管理弁法（試行）」を発表し、8つの分野の企業、機関に対し資金及び手続き円滑化のためのグリーンルート（優遇措置）などの支援を提供する。

分野一 グローバルな企業誘致を支援

第1条 グローバルな企業誘致システムの長期的なメカニズムを構築し、北京CBDの国内外主要都市の企業誘致連絡ステーションとなるための申請をすることを奨励し、対応する任務と目標を予定通り完了した場合は一定の奨励金を給付する。

第2条 専門的な企業誘致機関、コンサルティング機関、商工会議所、事業者団体などの第三者機関が、「北京商務中心区企業誘致指導目録」に記載された企業又はその他の重要な税源となる企業を引き入れることを奨励し、引き入れプロジェクトの税収水準に応じて、一定の奨励金を給付する。

分野二 企業本部の実力向上を支援

第3条 多国籍企業が地域内に本部型機関を設置することを奨励する。在中国本部型機関の新規設立・新規入居、アジア太平洋本部型機関の新規設立又は能力向上による新規入居、グローバル本部型機関の新規設立又は能力向上による新規入居に対し、スタートアップ奨励金を一括給付する。

第4条 新規設立した多国籍企業の本部又は本部型機関は、企業設立、ロゴ設置、資本管理、通関円滑化、人材導入、出入国などの面で優遇政策及びグリーンルート（優遇措置）を享受することができる。各種金融機関が、ブランド評価、信用格付け評価、金融商品イノベーション、金融サービスイノベーションなど、様々な形で企業本部向け融資の円滑化を図ることを奨励する。

分野三 国際開放最先端エリアの形成を支援

第5条 地域内で開放に携わる金融機関のうち、国務院金融委員会、中国銀行保険監督管理委員会などにより金融開放又は革新政策を全国（市全体）で初めて実施した（又は第1陣の）企業に認定された場合、奨励金を一括給付する。

第6条 地域企業が国家戦略を積極的に実行し、「一帯一路」イニシアティブ、北京市・天津市・河北省協同発展戦略及び「両区」建設の課題に深く溶け込み、国際競争力のある、革新的で画期的な開放革新成果事例を形成することを奨励し、複製・普及可能な模範的・牽引的効果を有する場合、又は全国（市全体）一例目（第1陣）として認定された場合、奨励金を一括給付する。

分野四 機能型機関の集中的発展を支援

第7条 法律サービス、会計監査、鑑定サービス、人的資源サービス、経営情報コンサルティング、信用サービス、知的財産権サービス、コンベンションサービス、科学技術サービス、その他新興専門サービス分野の国際・国内企業トップ10に入る企業の入居を奨励し、入居奨励金を一括給付する。

第8条 著名な国際機関、外国商工会議所、国際的に有名な公益機関、国際教育機関を積極的に誘致し、新規入居した企業（機関）は、グリーンルート（優遇措置）サービスを受けることができ、3年連続で当年度賃料の50％の基準で、経済支援を受けることができる。

第9条 多国籍企業が地域内に研究開発センター、イノベーションセンター、決済センター、調達センター、販売センターなどの機能型機関を設置することを奨励し、要素交易、仲裁機関、国際認証機関、国際格付け機関などの機能型プラットフォームの運営機関の入居を奨励し、新規入居した機関には3年連続で当年度賃料の50％の基準で、経済支援を行う。

分野五 デジタル経済先導区の構築を支援

第10条 地域企業のデジタルイノベーションへの投資を奨励し、中国の特許賞を受賞したデジタル企業及びデジタル技術分野の標準策定をリードする企業に対して、一定の奨励金を給付する。

第11条 デジタル化シーンへの応用を奨励し、地域企業が新技術を駆使してデジタル化、ネットワーク化、インテリジェント化への転換を図ることを支援し、地域内のインテリジェント化管理プラットフォームの構築とデジタル化シーンへの応用の年間投資額が200万元以上の企業について、年度投資額に応じて出資者に一定の奨励金を給付する。

第12条 デジタル産業の発展を加速させ、国家電子情報トップ100、ソフトウェアトップ100、インターネットトップ100など、新しく導入されたデジタル貿易、デジタル経済などに従事する重点企業に対し、奨励金を一括給付する。

分野六 建物の品質・効率向上を支援

第13条 ビルの高品質な発展を支援し、「CBDビル品質評価基準」を参照し、新たに高級、超高級、トップクラスと認められた商業ビルに対し、奨励金を一括給付する。原則として、1つの商業ビルにつき同グレードの申請は1回に限るものとし、認定後、当初の認定グレードからアップグレードした場合は、認定グレードの差額を奨励金として支給する。

第14条 ビルの経済生産高を向上させるよう奨励し、税収が最初の2年連続10億元を超えた商業ビルに対し、奨励金を一括給付する。

第15条 北京CBDゴールドビル管理者の認定を受けた地域内の人材について、朝陽区の「高精尖（ハイレベル・精密・先端的）」企業人材のインセンティブの範囲に組み入れ、既存政策に基づき奨励金を支給し、高精尖人材奨励資金から支出されるものとする。

分野七　国際的かつ近代的な商業のアップグレードを支援

第16条 既存の飲食店の国際ランキング認定への参加を奨励し、国際ランキングレストラン及び国際高級商業ブランド直営店の入居を奨励し、事前関連手続きの支援を行い、3年以上の賃貸契約を締結した者に対し、実際の投資総額の30％を目安に、支援金を支給する。

第17条 地域内の免税店又は共用保税倉庫の設立を奨励し、3年以上の賃貸契約を結んだ者に対し、年間賃料の30％を目安に、支援金を一括給付する。

分野八　文化・芸術の発展を支援

第18条 地域内の博物館、現代芸術館、美術館、劇場、図書館、24時間営業の書店などの文化空間の設置を奨励し、面積が500平方メートルを超える場合、年間賃料の20％を目安に、プロジェクト出資者に財政支援を行う。ビル、企業が自らの空間を利用して、市内あるいは国内で一般公開できるランドマーク的な文化空間の建設を奨励し、建設面積が800平方メートル以上で、かつ1年以上稼動した場合、投資した建設資金の20%を目安に、プロジェクト出資者に財政支援を行う。