2023年5月10日
北京市人的資源社会保障局の認可により、外資系職業技能訓練機関であるデロイト商務技能訓練(北京)有限公司と北京市中独ライン職業技能訓練学校が相次いで北京に設立され、北京で職業訓練を展開する第1陣の外資系企業となった。これは北京「両区(国家サービス業開放拡大総合モデル区、中国(北京)自由貿易試験区)」の建設・教育サービス分野の開放拡大における重要なブレークスルーでもある。
両社が北京を投資・進出先として選択したことから、外資系企業が北京のビジネス環境を高く評価していることがうかがえるだけでなく、北京の包容力と開放性の高さが見て取れる。これによりモデル効果が発揮され、北京の職業訓練分野のハイレベルな対外開放の積極的なシグナルが放たれ、より多くの良質な教育資源を引き入れ、北京での投資・進出につながることが期待される。
世界的に有名な企業が有能人材の育成を支援
北京市初となる2つの外資系職業技能訓練機関が懐柔区と順義区に相次いで設立された。
そのうち、懐柔区に設立されるデロイト商務技能訓練(北京)有限公司は、デロイト社がアジア・太平洋地域に開設する初の職業訓練学校である。世界をリードする専門サービス機関として、デロイトは豊富なグローバル資源の優位性を生かし、世界的に先進的な教育訓練経験と管理サービスモデルを導入し、「両区」建設のために広い視野を持ち、世界で活躍できる金融分野の質の高いグローバル人材を育成する。
順義区の中独産業パークに入居する中独ライン職業技能訓練学校は、ドイツのスマートマニュファクチャリングシステムの研究・開発・設計、生産実施経験及びハイスキル人材育成システムを導入し、産業用ロボット、デジタル化設計・製造、産業インターネットなどのスマートマニュファクチャリング分野のハイスキル人材を育成し、模範的・牽引的な役割を担う中独スマートマニュファクチャリングにおける生産・教育の融合研修システムの構築に力を入れる。
「両区」建設を後押しする職業訓練分野の開放政策
2つの外資系職業技能訓練機関の設立に成功したのは、北京の「両区」建設において打ち出された職業訓練分野の開放政策のおかげである。2022年8月に、「北京市外資系営利性職業技能訓練機関設立管理弁法」(以下「弁法」)が公布され、外資系営利性職業技能訓練機関の設立に関する具体的な要件と手順が明確化され、初めて市内全域で外資系独資学校運営が許可され、従来の中外協力による学校運営形態を踏まえ、外商が多様な形態で北京市の職業技能訓練市場に投資することをサポートするとしている。
「弁法」では、多様な外資系学校運営形態を認め、投資参入要件を緩め、審査・認可サービスのプロセスを最適化し、複数の改革措置を通じて、外資系学校運営に対する政策支援を強化するとしている。例えば、設置者は教育機関だけに限定せず、学校運営に関与する主体の多様化を認め、中国・外国側の取締役会メンバーの比率規制などを撤廃し、基準の設定、審査・認可のレベル、審査・認可のプロセス、監督・管理などの面において、北京市民営職業技能訓練機関と同条件とした。同政策が実施されて以降、北京市には多くの有名な外資系企業から関連政策についての問合せのほか、積極的な学校運営の意向が寄せられている。
「執事式」サービスが北京のビジネス環境の持続的な最適化を後押し
企業向けの学校運営に関するコンサルティングにおいて、北京市・区の人的資源社会保障局は協力メカニズムを構築し、全過程で「執事式」サービスを提供している。両社の審査・認可申請において、北京市は「証照分離(市場監督管理部門による営業許可証の発行と各業界主管部門による経営許可証の発行の分離)」改革における審査・認可サービスを引き続き最適化し、外資系営利性職業技能訓練機関の設立時に、告知承諾制(審査要件などを通知して、要件を満たせば申請を即時認可する制度)による審査・認可方式を採用し、審査・認可に要する日数が従来の90日間から即日に短縮された。両社は学校運営の申請書類を提出した日に学校運営許可を取得することができ、企業が経営業務を展開する上で非常に便利となった。このほか、人的資源社会保障局は企業に全過程で政策コンサルティング・指導サービスを提供し、企業の申請過程での問題を共同で解決し、引き続き企業の学校運営に対し「執事式」サービスを提供する。
北京市人的資源社会保障局によると、次のステップとして、北京は職業訓練分野におけるハイレベルな対外開放を継続的に推進するとともに、同局は北京の「両区」建設と質の高い発展に力強い人材サポートを提供するために、外資系企業への支援を強化し、より多くの海外の質の高い教育訓練機関を誘致し、北京での投資・進出につなげ、より多様化、専門化、国際化を実現した職業訓練システムを構築し、国際競争力のある首都の技能人材チームを構築することを目指すという。
(情報提供:中国新聞網)