11月1日、合肥南駅で、スマホで鉄道のeチケットを見せる乗客(撮影・周牧)
2024年11月1日以降、中国の鉄道旅客輸送では完全デジタル化されたeチケットの利用が普及。これにより、乗客は紙の鉄道切符を発券機でプリントアウトする必要がなくなり、移動や精算がさらに便利になった。
青島在住の鉄道ファン・陳天豪さんがコレクションしている1979年の鉄道切符
(2019年1月25日、撮影・李紫恒)
新中国の最初の鉄道切符は厚紙の切符だった。手作業で乗車情報を追加する必要があり、切符販売係は日付スタンプで日付を印字し、座席番号を貼り付け、そろばんで料金を計算していた。
1950年代、北京駅の切符窓口で切符を買う人々。(北京駅提供)
1986年、素早い発券方法を見て学ぶ切符販売係(撮影・呉祖政)
1997年には、薄い紙の電子発行切符が正式に導入され、発券方法もコンピュータ発券に切り替えられた。これにより発券ミスが大幅に減少し、発券に要する時間も数分から数十秒に短縮された。
1997年1月18日、北京駅の切符窓口で乗客のためにコンピュータで切符を確認している販売係
(撮影・陳建力)
2003年6月18日、乗客から電話で発券予約を受ける広東羊城鉄道のオペレーター(撮影・周文傑)
2006年1月9日、購入したばかりの鉄道切符を見せる長沙市の大学生。(撮影・龍弘涛)
2007年には磁気カードタイプの切符が登場し、自動改札も導入。乗客は自分で改札機に切符を通して入場できるようになった。
2011年1月17日、合肥駅で自動発券機で切符を発券して受け取る乗客。(撮影・李健)
2011年にはネット予約が開始され、購入手続きが大幅に簡素化された。
2014年9月12日、スマホの12306アプリを使って国慶節(建国記念日、10月1日)
にともなう連休初日の鉄道切符を予約購入する北京市民。
鉄道のeチケットは、2018年11月に海南環島高速鉄道で試験導入され、2020年4月には本土の高速鉄道と都市間鉄道で全面的に導入。乗客は有効な身分証明書さえあればeチケットが購入できるようになり、乗車プロセスがさらにスムーズで便利になった。
2019年1月21日、鄭州駅の改札で顔認証確認と身分証確認を受ける乗客。(撮影・李安)
小さな鉄道切符は、乗車に必要な証明書であると同時に、中国の鉄道発展の歩みの証人でもある。
上:2010年1月31日、広州駅で乗客の切符を確認する職員。
下:2024年1月26日、広州南駅の無人改札を通る乗客。(撮影・盧漢欣)
紙の切符からeチケットへ。切符購入と移動の便利さは変わったが、帰省者のふるさとへの郷愁と旅人の遠い地への憧れは今も変わらない。