一、政策概要
中関村国家自主イノベーションモデル区の特定エリア内に登録された居住者企業が、条件を満たす技術移転により得た所得のうち、一課税年度内に2000万元を超えない部分は企業所得税が免除される。2000万元を超える部分は50%減税で企業所得税が徴収される。
二、政策の革新点
・技術移転により得た所得の免税額を500万元から2000万元に引き上げる。
・居住者企業が直接又は間接的に100%株式を保有する関係者からの技術移転によって得た所得は、本優遇政策が適用される。
三、政策の根拠
『財政部 税務総局 科学技術部 知識産権局による中関村国家自主イノベーションモデル区特定エリアにおける技術移転に係る企業所得税試行政策に関する通知』(財税〔2020〕61号)
四、適用範囲
中関村国家自主イノベーションモデル区朝陽園、海淀園、豊台園、順義園、大興-亦荘園、昌平園内に登録された居住者企業。
五、適用条件
技術とは、特許(国防特許を含む)、コンピューターソフトウェアの著作権、集積回路のレイアウト設計の独占的排他権、植物の新品種に対する権利、生物医学の新品種、及び財政部と国家税務総局が指定したその他の技術を指す。
このうち、特許は権利者が法に基づき、発明・実用新案・意匠を含む発明創造について享有する専有的権利を指す。技術移転とは、居住者企業が規定に合致する技術の所有権、又は3年以上の非独占的ライセンス及び世界的な独占的ライセンスを譲渡する行為を指し、技術移転を行うに当たっては、技術移転契約を締結する必要がある。
関連管理事項については、『財政部 国家税務総局による居住者企業の技術譲渡に係る企業所得税政策問題に関する通知』(財税〔2010〕111号)第三条の規定に基づき実施する。居住者企業が直接又は間接的に100%株式を保有する関係者から技術移転によって得た所得は、優遇政策の適用対象となる。
六、適用方法
企業への優遇措置の適用に当たっては、「自主判別、申告、調査に備えた関連資料の保管」による方式を採用する。企業は経営状況及び税金に関する関連規定に基づき、優遇事項に規定された条件に合致するか否かを自ら判断し、条件に合致する場合は、企業所得税の年度納税時に自ら控除税額や免税額を計算し、企業所得税納税申告書に記入することにより税制上の優遇措置が適用される。同時に、規定に基づき調査に備えるため関連資料一式を収集・保管する。
七、資料の保管
企業は技術移転の状況に応じて、以下の要求に基づき関連書類を調査に備えるため保管する必要がある。
1.譲渡する技術の所有権を証明する書類
2.企業が本土内で技術移転を行う場合
(1)技術移転契約書(コピー)
(2)技術契約登録証明書
(3)技術移転で得た所得のまとめ・配分・計算に関する資料
(4)実際に納付した関連税金の証明資料
3.企業が海外へ技術移転を行う場合
(1)技術輸出契約書(コピー)
(2)技術輸出契約登録証明書又は技術輸出許可証
(3)技術輸出契約データシート
(4)技術移転で得た所得のまとめ・配分・計算に関する資料
(5)実際に納付した関連税金の証明資料
(6)関係当局が商務部、科学技術部の発表した『中国輸出禁止・輸出制限技術目録』(中国語:中国禁止出口限制出口技術目録)に基づいて発行した審査意見
4.技術所有権を譲渡する場合:当該コスト・費用に関する状況説明書、使用権を譲渡する場合:当該無形資産に関する償却状況説明書。
5.その他の関連資料
八、保管期間
当年度の企業所得税の確定申告納付期限まで。