『北京市デジタル経済促進条例』が、2023年1月1日から施行された。本条例は、以下の重点分野について規定するものである。

一、デジタル経済発展の物質的・技術的基盤の強化に力を入れる。

本条例は、第一に、情報通信ネットワークインフラの整備促進について定めており、次世代高速固定ブロードバンド及び移動通信ネットワーク、衛星インターネット、量子通信等のネットワークインフラ構築を支援するということ、第二に、コンピューティング・インフラの整備を推進するということ、第三に、新技術に関するインフラ建設を強化するということ。具体的には、人工知能(AI)、ブロックチェーン、ビッグデータ等の新技術インフラ整備を統合的かつ計画的に推進し、汎用アルゴリズム、基盤技術、オープンソースソフトウェア・ハードウェア等の共通基盤プラットフォームの構築を支援するということを掲げている。

本条例は、データの収集、利用、公開、取引並びにデータ要素に係る収益配分等について規定している。第一に、高品質なデータ資源の供給体制を強化すること、第二に、データ要素の開発及び活用の仕組みを革新すること、第三に、データ要素の市場流通を促進することを掲げている。

二、デジタル経済を強化・高度化・拡大するための北京の取り組みを立法面で模索する。

本条例では、デジタル技術の産業化及び既存産業のデジタル化を通じて、デジタル経済と実体経済の融合的発展を推進するとしている。

本条例は、デジタル技術の産業化促進を加速することを定めている。具体的には、第一に、基幹技術分野におけるイノベーション能力の向上を図ること、第二に、中核産業の競争力強化を進めること、第三に、新たな業態およびビジネスモデルの育成を加速させることを規定している。

本条例は、産業のデジタル・トランスフォーメーションを推進することを求めている。第一に、安全保障体制及び産業エコシステムを構築・充実させること、第二に、企業のデジタル化・モデル転換高度化・を促進すること、第三に、重点産業におけるデジタル化転換を全面的に深化させることを掲げている。

三、経済発展の成果が民生に恵みをもたらし、人々のより良い生活の実現を確保する。

第一に、スマートシティの構築を推進し、行政サービスの「一つのネットワークでの手続き完結(一網通办)」によるデジタル化を推進し、政府の業務効率化とデータ活用による基礎的な行政運営の高度化を図り、市民がより便利に行政手続きを行えるようにするとしている。 

第二に、都市における様々な適用場面(シーン)の開放を進め、市場主体がスマートシティ構築に参加するよう促すとしている。あわせて、デジタル・ディバイドの解消や市民のデジタルリテラシー・技能の向上を図り、デジタル経済の発展機会をあらゆる人々が享受でき、その成果が広く行き渡るようにするとしている。

第三に、プラットフォーム企業による自主的なガバナンス(内部統制)と行政によるガバナンスの双方を充実させ、データの安全管理及び個人情報保護を徹底し、デジタル経済が安全かつ秩序ある形で発展することを確保するとしている。

四、デジタル経済の安全保障体制を強化し、その持続的かつ健全な発展を確実なものとする。

第一に、データセキュリティ確保に関する水準を向上させるため、データセキュリティに関する関係機関間の調整メカニズムを確立・整備し、監視・早期警報体制及び緊急時対応体制の強化に必要な措置を講じるとしている。また、データを取り扱う事業活動を実施する事業者は、データガバナンス及びコンプライアンス経営のための内部体制を構築するとしている。

第二に、サイバーセキュリティ防護能力の強化を図るとしている。具体的には、重要情報インフラに対する重点的な保護措置を実施するとともに、関係者間の連携によるリスクの共同防止・管理メカニズムを構築するとしている。

第三に、あらゆる種類のリスクに対し、実効的な予防措置を講じるとしている。そのため、プラットフォーム経済におけるガバナンスのための明確なルール及び監督・管理の枠組みを確立・整備し、プラットフォーム企業がオンライン紛争解決の仕組みと窓口を設けることを奨励・促進することを掲げている。