先日、北京外貨管理部は「多国籍企業の国内通貨・外貨に対する越境資金集中運営管理規定（試行）」を発表し実施した。北京市にて先行して実施されるこの試行は、中国人民銀行と国家外貨管理局による北京市の高水準開放を支持する重要な措置であり、北京地区の貿易投資・融資の利便化、ビジネス環境の最適化、首都経済の質の高い発展を支持する上で積極的意義を持つ。

試行政策には既存のクロスボーダー双方向人民元プーリングと外貨プーリングのメリットが取り入れられており、その概要としては、第一に、既存の多国籍企業の越境資金集中運営に関連する政策要件を最適化・整理して、より多くの企業に恩恵が及ぶようにする。第二に、企業の越境資金運営の自由度を向上させ、多国籍企業がマクロ・プルーデンスの観点に基づき、自ら外債や海外融資の集計割合を決定できるようにする。第三に、多国籍企業が人民元で越境資金集中運営業務を行うことをサポートする。第四に、届出のプロセス及び資金使用に関する書類の審査を簡素化する。

2012年以来、北京地区は多国籍企業に対する外貨管理改革の先行試験エリアであり、すでに105社の多国籍企業が越境資金集中運営管理業務を展開しており、製造業、サービス業、情報技術等の多くの業界をカバーし、国内外のメンバー企業は4800社ほどにのぼる。今回の試行は2021年に実施した多国籍企業の国内通貨・外貨一体化資本プール試行と共に、異なるタイプ・規模の多国籍企業を支援する政策枠組みを構成しており、多国籍企業に向けて良好なビジネス環境を構築した。試行政策は、多国籍企業が海外・中国国内の二つの市場における二種類の資源を十分に利用するという点で有益であり、資金管理の効率を向上させ、為替リスク及び財務コストを抑え、越境貿易と投資・融資の利便化水準を更に高め、実体経済の質の高い発展のためにより良いサービスを提供する。

（情報提供：国家外貨管理局北京外貨管理部）