2023年末、国務院が北京における国家サービス業開放拡大総合モデル区の建設を深化させる作業計画を承認したことにより、「両区(国家サービス業開放拡大総合モデル区、中国(北京)自由貿易試験区)」の建設はアップグレードを絶えず追い求める2.0段階に入った。2024年以降、北京は「モデル区2.0計画」の全面実施を主軸とし、首都の開放的な発展の新たな前進を促してきた。1月から4月にかけて進展が見られた「両区」投資誘致に関するプロジェクトは累計1936件で、資本金は8409億元に達した。

サービス業の重点分野で開放に「新しさ」を追求

金融分野におけるESGデータ評価サービスの標準化に関する中国初の試行が実行され、国内初の新設された完全外資系子会社であるスタンダード・チャータード証券、国内2社目となる合弁カード決済機関である万事網聯が正式に営業を開始し、多国籍企業バリアン・メディカルの地域本部など代表的なプロジェクトが実現した。2024年以降、北京は金融、健康医療などのサービス業の重点分野で開放拡大を推進し続け、開放の「新しさ」と「質の高さ」を絶えず向上させてきた。

科学技術分野では、中関村科学城国際イノベーションサービスクラスターが設立され、UnityVCやデロイト中国など10機関が第1陣として入居した。さらに北京・天津・河北は、画期的技術革新に焦点を当てた北京初の重要イノベーションプラットフォームである朝陽イノベーションセンターを共同で建設した。

デジタル経済分野では、北京はデータ越境移転を促進・規制し、自由貿易試験区におけるデータ移転の「ネガティブリスト」を策定し、外商投資企業に対するのデータ移転安全評価の申告時の「グリーンルート(優遇措置)」を模索している。現時点で、すでに自動車、医薬、民間航空、小売、AIの5分野、110社以上の企業が対象となっており、「グリーンルート」の導入により、データ越境安全評価の所要時間は平均50%短縮された。

「両区」の政策ボーナスはプロジェクトに転換され成果を生み出し続けている。2024年1月から4月にかけての「両区」投資誘致に関する新規予備プロジェクトは累計3098件、進展が見られたプロジェクトは1936件となり、資本金は8409億元に達した。

大興空港総合保税区の二期工事を加速化

2024年以降、北京は多元的な開放メカニズムを強化し続け、より段階的な開放拡大を推進している。科学技術イノベーションエリアでは、北京市合成生物製造技術イノベーションセンターと中関村合成生物製造産業クラスターの建設が開始された。国際ビジネスサービスエリアでは、国家輸入貿易促進イノベーションモデル区の建設が推進された。ハイエンド産業エリアでは、首都の都市空港で自動運転シャトルバスを導入する世界初のモデルが実行され、新設された民間ロケット開発製造企業は全国の75%以上を占めている。

先行的試行を通じて、主要園区はすでに差別化・特色化された開発状況を形成している。麗澤金融商務区は、金融要素の集積を加速させ、華源証券、東方富興などの優れた金融企業を誘致した。北京中独経済技術協力先行モデル区は開放・協力を深め、ドイツのMediCAD医療ソフトウェア中国本部および研究開発センターなど10件以上のプロジェクトの調印が完了した。

さらに北京は、総合保税区の質の高い発展を推進し続けている。研究開発イノベーションを特色とする中国初の総合保税区である中関村総合保税区は、予定より早く正式審査を通過し、国内のスマート監督管理モデルの開拓をリードしている。天竺総合保税区は、希少疾病用医薬品保障先行区の建設を加速させ、世界初の小児骨軟骨異形成症などの希少疾病用医薬品の保税在庫と円滑な引渡を完了し、市初の希少疾病専門診断・治療機関を開設した。そのほか、大興空港総合保税区は二期工事を加速させている。

第1四半期の北京自由貿易試験区における外資利用実績は全市の28.5%を占め、2023年末比で9.2ポイント上回り、一定規模以上の企業の営業収入は全市の平均成長率を2.7ポイント上回った。

年内に「モデル区2.0計画」の実行を加速化

企業と人材への配慮をめぐって、「両区」の建設では、より温もりのある開放を促進している。北京は開放的かつ包摂的な人材育成環境を創出し、香港・マカオに渡航する人材に対するビザ政策を試験的に実行しており、科学研究、法律など6業界に従事する北京で働くハイレベル人材は、有効期間1年から5年の、香港・マカオへの複数回の渡航が可能な許可証を申請することができ、1回の香港・マカオ滞在は30日以内とされている。同時に、外商投資企業に赴任する専門家の同伴配偶者及び家族が、専門家と同じ本土入り期間及び滞在期間を享受することを承認し、累計3000回以上のビザサービスを提供してきた。

「両区」の建設においては、今後も引き続き制度刷新により踏み込み、「モデル区2.0計画」の実行を加速させ、年末までに各任務を概ね実施するよう努力し、国際商事仲裁センターの設立と、生物医学先端分野における多部門協同監督管理などの統合的な制度刷新の推進をめぐって、より独創的で先導的な制度刷新の成果を生かして、より大きな市場の活力を刺激していくねらいだ。

(情報提供:北京日報)