このほど、北京市は、外資系企業の投資・手続上の困難に対応し、中国の首都の制度型開放のレベルを強化するため、初の外商投資に関する専門的な規定である「北京市外商投資条例」(以下「条例」)を採択した。

「条例」は、総則、投資促進、投資保護、投資サービス、投資管理、法的責任、附則を含む全7章44条で構成されている。この規則は「中華人民共和国外商投資法」を効果的に実施するもので、対象性、サービス性、統括性が強調されている。

外資を誘致し導入することは、中国のハイレベルな対外開放において重要な要素である。北京は常に外商投資の好適地である。第13次五カ年計画期間中、北京の実行ベース外資導入額は累計で796億米ドルに達し、国全体の11.8%以上を占めた。2023年に同市で新設された外資系企業は1729社で、前年比22.8%増となった。

「条例」では、外資系企業がビジネスを行う上でのペインポイントに的を絞った規定を設けている。フランスのバイオ製薬会社サノフィ・グレーターチャイナの朱海鸞副総裁は、「サノフィが越境データ移転上の問題に遭遇したため、北京は『条例』の導入を機に企業との協議を重ね、企業が抱える問題を解決するために、『一般データリスト』と自由貿易試験区における重要データリストの作成を検討した」と述べた。

「条例」では、政務上の信用喪失記録及び懲戒制度の整備・確立を明確に求めている。この点に関して、デロイト中国の華北地区政府業務マネージング・パートナーの馬飛駿氏は、「紛争解決の法的根拠が示され、企業に『安心感』を与えている」と述べた。

また「条例」では、企業の負担を軽減し、企業活力を高めるため、全市統一の行政サービス事項目録と実施リストを作成することを提案しており、外国関連行政サービス事項の「ワンウィンドウ」アクセス、デジタル統合サービスの提供、北京国際版ポータルサイトの整備などについて明示されている。

「サービス」は今回の条例制定において重要な特徴となっている。「条例」では、「投資サービス」という独立した章を設け、本土外の職業資格の認定、職業技能等級の独自認定、政府による外資系企業への定期的な意見聴取など、多くのサービス措置について詳細に定めている。

(情報提供:新華社)