一、よくあるプリペイド決済の種類について

プリペイド決済は通常、単一用途のプリペイドカードによる決済を指し、消費者が費用を前払いした後、複数回数に分けて商品やサービスの購入・享受ができる決済モデルの一種です。消費者が購入したスーパーのプリペイドカード、美容室・サロンカード、フィットネスカードなどはほとんどが単一用途のプリペイドカードであり、事前に支払った住宅リフォーム代金、家賃、家具などの商品の注文代金は通常、単一用途のプリペイドカードには該当しません。


二、消費者はプリペイド決済をする際、自身の権益をよりよく保障するにはどうすればよいですか?

プリペイド決済をする場合、消費者は必ず店舗と書面による契約を締結する必要があります。契約を締結する際には、各条項をよく読み、店舗の口頭での誓約を安易に信じず、トラブルが起きた際の責任の所在が不明瞭という状況が生じないよう注意を払う必要があります。代金を支払った後、店舗に契約書、領収書などの証憑又はサービス明細書を要求し、適切に保管しておく必要があります。特に注意すべきなのは、個人に料金を振り込まないということです。


三、消費者が店舗とプリペイド決済契約を締結する場合には、どんなことに特に注意を払う必要がありますか?

プリペイド決済サービス契約を締結する際、消費者は店舗に対し、自身の利益に大きく関係する事項を契約書に記載することを求める必要があります。『北京市単一用途プリペイドカード管理条例』の規定に基づき、前記契約書には少なくとも以下の内容を含まなければなりません。

(一) 当事者双方の名称又は氏名、連絡先等

(二) 事業者の受取口座情報、前受金額、支払方法、契約履行保証措置

(三) プリペイドカードで購入できる商品又は受けられるサービス項目の内容、場所、数量、品質及び決済方法の種類、料金基準、課金方式

(四) 履行期限、及び経営場所の所有形態(自己所有又は賃貸)、賃貸借期間

(五) リスク喚起

(六) 贈与権益の使用範囲、使用条件及び払い戻しの処理方法

(七) 変更、中止、終了等の状況における前受金の処理方法

(八) 払戻金の計算方法、手段、手数料

(九) 紛失届け、カードの再発行、譲渡の方法

(十) 購入履歴、残高の確認方法

(十一) 違約責任

(十二) 紛争解決の方法


四、現在、北京市でプリペイド決済契約の締結に適用される契約書のひな型はどれですか?

2023年12月現在、北京市の商務、体育、人的資源・社会保障、民政、衛生健康、都市管理、交通、文化観光などの部門は市場監督管理部門と共同で、小売、飲食、住民サービス業、スポーツ・フィットネス、成人スポーツトレーニング、専門技術関連の職業資格研修、職業技能訓練、養老サービス、乳幼児保育サービス、医療美容サービス、住宅暖房供給、オンライン自転車レンタル、自動車修理・メンテナンス、営利性文化芸術関連の研修などの分野をカバーする計12セットの契約書ひな型を公表しています。消費者と事業者がこれらのひな型を参照し、又は直接使用してプリペイドカードの書面契約を締結することを推定しています。


五、店舗の代表者(名称、法定代表者)が変更となった場合、消費者は店舗にサービスの提供を継続することを要求できますか。

店舗は名称、法定代表者、責任者、担当者などの事項を変更する場合、単一用途プリペイドカード決済契約に約定された義務の履行を拒否してはなりません。消費者は店舗に対し、サービスの提供を継続することを求める権利を有します。


六、前受金を受け取った店舗が閉店し、連絡が取れなくなった場合、消費者はどのようにして自身の権利を保護すべきですか?

店舗がチェーンブランドの支店である場合、消費者はその上級企業に連絡し、サービスの提供継続、又はプリペイドカード残高の払い戻しを要求することができます。店舗が独立して経営する事業者の場合、又はその上級企業が関連義務の負担を拒否した場合、消費者は関連契約書、領収書等の証憑を適切に保管し、速やかに行政機関又は消費者団体に苦情を申し立てるか、直接人民法院に訴訟を提起することができます。


七、先日作ったばかりで一度も使用していないプリペイドカードの残高を払い戻ししたい場合、どうすればよいですか。

『北京市単一用途プリペイドカード管理条例』によると、消費者には「7日間の猶予期間」が与えられています。消費者がプリペイドカード購入後7日の間に同カードで商品又はサービスを購入していない場合、事業者にプリペイドカード残高の払い戻しを要求する権利を有します。事業者は、消費者からプリペイドカード残高の払い戻しを要求された日から5日以内にプリペイド残高を一括で全額返却しなければなりません。消費者はプリペイドカードの購入により受け取った景品又はサービスを返却するか、又は合理的な代金を支払わなければなりません。「7日間の猶予期間」内に店舗がプリペイドカード残高の払い戻しを拒否した場合、消費者は行政機関又は消費者団体に苦情を申し立てることができます。


八、消費者がプリペイドカードを解約しようと、店舗にカード残高の払い戻しを申し出たものの拒否された場合、どうすればよいですか。

消費者と店舗は対等に話し合いを行い、和解に向けて自ら解決することができます。双方が契約書を締結している場合は、契約書に基づいて処理しなければなりません。消費者と店舗同士で和解できない場合、消費者団体に調停を求めるか、行政機関に苦情を申し立てることができるほか、仲裁、訴訟などの手段により解決することもできます。


九、店舗が閉店を宣言し、他の店舗に対し、プリペイドカードの購入者のために引き続きサービスを提供することを委託した場合、消費者はどのようにして自身の権益を保障すればよいですか。 

消費者が他の店舗から引き続きサービスの提供を受けることに同意する場合、今後の権利保護の根拠とするために、両店舗と三者間契約を締結する必要があります。消費者が他の店舗によるサービスの提供を希望しない場合は、店舗と残高の払い戻しについて協議することができます。


十、プリペイド決済をめぐる紛争について、消費者と事業者が調停合意に達していない場合、消費者はどうすればよいですか。

所定の期限内に事業者、消費者双方が調停合意に達していない場合、又は双方が調停合意に達することができない旨を明確に表明した場合、調停実行部門は法律により調停を終了します。消費者は訴訟、仲裁等の手段によって紛争を解決することができます。